傀儡政権再び


民主党HPより(昨年の衆議院総選挙時、左から輿石・岡田・鳩山・小沢・菅)


菅氏が新総理に据えられた。彼を反小沢と定義付け、小沢色を払拭させたように見せかけているが、所詮は茶番に過ぎない。
民主党は、何処まで有権者を馬鹿にすれば気が済むのだろう。


菅氏「小沢氏はしばらく静かに」 出馬会見で明言 配信元:産経新聞 2010/06/03

菅、樽床両氏は3日夜、党本部で相次いで出馬の記者会見を行った。
菅氏は小沢氏について「国民の不信を招いたのだから、小沢幹事長はしばらく静かにした方が、ご本人、民主党、日本の政治にとっていい」と明言した。
 樽床氏は「世界のリーダーは新しい世代に若返りしている」と述べ、世代交代の必要性を強調した。小沢氏に関しては「すべて親小沢、反小沢の2極に分ける考え方に立っていない。そういうことを乗り越えねばならない」と述べた。


結果の分かっている試合ほどつまらないものはない。民主党の稚拙なシナリオは置いておくとしても、両氏の言葉から無意識か意識的か分からないが本音が窺い知れる。


菅新総理は就任前の出馬会見で、「小沢幹事長はしばらく静かにした方が」と述べているが、「しばらく」との表現には、ほとぼりが冷めたら復帰しても良いとの意味合いも含まれているように思われる。
「しばらく」との表現がなくても、支持率回復だけを狙った戯言に過ぎない。「クリーンな政治を」と自身が言うのであれば、「報復人事を」とマスコミに囃立られるのであれば、本来であれば真っ先に小沢と鳩山に議員辞職と責任説明を求めるべきではないだろうか。それらができない以上、菅新総理は小沢の傀儡と評価されても仕方がない。


小沢派とされる樽床氏にしても、反小沢派に同調するかのように世代交代の時期だと訴えていた。更に樽床氏は「すべて親小沢、反小沢の2極に分ける考え方に立っていない。そういうことを乗り越えねばならない」とも発言しており、親小沢と反小沢が対立しているわけではないと訴えている。
つまり、民主党は親小沢・反小沢関係なく一致団結して支持率回復を目指している。


また“傀儡総理”か 菅直人氏、アノ人との近すぎる距離 2010/06/03  zakzak

こうした中、大本命の菅氏には、小沢氏との「近すぎる距離」が指摘されている。
 菅氏と小沢氏は「偽メール事件」による前原氏の代表辞任を受けた2006年4月の代表選にともに出馬し、菅氏はダブルスコア近い大差で惨敗した。
 当時、「小沢氏に刃向かった菅氏は干される」とみられていたが、小沢氏は菅氏を代表代行に、鳩山氏を幹事長とするトロイカ体制を構築。前原前執行部を居抜きで引き継ぐウルトラCの人事を発表し、「小沢氏はさすがだ」とうならせた。
 このあたりから菅氏は小沢氏に急接近し、08年9月の代表選では、2カ月も前から「小沢代表の下で総選挙を戦うことが、政権交代の一番大きな可能性を持つ」と続投を支持。昨年春、西松建設事件で東京地検特捜部に小沢氏の公設秘書が逮捕された後も「小沢氏でないと政権交代できないという国民もたくさんいる」とかばった。
 「党内のグループ力学を分析して『小沢グループの支援なしに次期代表の目もない』と悟ったのだろう。菅氏は、小沢氏の趣味である囲碁に付き合うなどして、接近していった」(党関係者)
 今年1月、藤井裕久財務相(77)の後任に菅氏が起用されたのも、「小沢氏との良好な関係が決め手」(官邸周辺)となった。特捜部の捜査が報道されていた今年の元旦も、菅氏は東京・深沢の小沢邸で開かれた新年会に出席している。
 今回の「鳩山・小沢ダブル辞任」の辞意表明を受け、党内がショック状態にあった2日夕、菅氏はいち早く官邸に乗り込み、「私なりに考えたうえで、代表選に立候補したい」と首相に伝えた。
 まるで、3者会談に出席した小沢氏と輿石東参院議員会長(74)しか知らなかったはずの「鳩山辞意表明」を事前に知っていたかのような電光石火の行動だ。


菅新総理は鳩山内閣時に副総理だったから、反小沢で冷遇されていたとはとても思えなかった。
上記報道からも反小沢が演出であること、更には小沢への報復人事など有り得ない事が分かる。


しかしながら、有権者にお人好しが多いのも現実か。
多くの報道機関は産経新聞のように小沢と菅新総理の深い繋がりを報じず、反小沢の勝利を印象づけている。結果、民主党の支持率ばかりか、共同通信社の電話調査では、新総理に期待するとの声が六割近くも占めたという。
鳩山にしても小沢にしても、首相と幹事長を辞任するだけで与党に留まり甘い蜜を吸えるのであれば安いものだろう。


すごいぞ“菅効果”「新首相に期待」57% 2010年06月05日 スポニチ 


民主党ニヤッ 支持率急上昇「首のすげかえ」まんまと成功 2010.06.04 zakzak


産経新聞が存在しなかったと想像すると恐ろしい限りだが、大勢と民主党に騙される人はまだまだ多い。


菅新総理の総資産は、鳩山に比べ桁違いに少ない二千万円台だという。これをもって、政治とカネの問題が解消したと短絡的に喧伝する民主党シンパも多いが、法制度も変えてない段階で何を況や。資産家ボンボンの鳩山が民主党を作り、金満政治屋の小沢が運営している民主党。そのような政党の中で庶民派の管は、鳩山以上に扱い易い人物でしかない。資産も無く、二世議員でもない菅新総理は、それらを有する議員に擦り寄るしか民主党内で生き残る術はない。
余談だが、菅新総理はハローワークのPCで55歳・50万円の月収を探し、無かったので不況だと思うような感覚の持ち主。お世辞にも庶民的感覚の持ち主とは思えない。


国益を度外視し、私益のためだけに票獲得を画策する民主党自民党は甘く見すぎている。
何故、自民党内閣不信任決議を提出し、解散総選挙に持ち込まなかったのだろう。民主党・谷垣総裁は治世の能臣にすぎないのか。
仮に、乱世の奸雄である小泉進次郎氏が総裁であったのなら、自民党も今よりは勢いを持てたように思える。小泉氏に対しては世襲議員との批判はあるが、谷垣総裁の父は自民党の閣僚を歴任した谷垣専一氏であり、前首相の鳩山も世襲議員である。同じ世襲議員であるのならば、格段に政治能力が高い小泉進次郎氏の方が遥かに良い。


小沢は今後も民主党内で院政を敷き、普天間基地問題には触れず、菅新総理にも余計な事や発言をさせずに、7月の参議院選挙を乗り越える魂胆なのだろう。
日本は民主党を下野させる絶好のチャンスを逃したが、まだ悲観する必要はない。
支持率の高さは、期待の高さでもある。選挙と私益しか考えられない民主党内で内閣が変わったところで鳩山政権と同様な結果になるのは目に見えている。むしろ、現在の高い支持率は好都合でもある。期待は大きければ大きいほど、裏切られたと知った時の怒りは大きい。


磐石に見えた民主党支持者も割れてきた。菅新総理体制を歓迎しない民主党支持者からすると、新しい内閣は従米であり官僚主導に見えるようだ。新左翼・元べ平連であり、北朝鮮拉致実行犯を釈放させた菅新総理が本当の意味で従米かどうか疑わしいが、民主党支持基盤の崩壊は、望むと望まざるに限らず内ゲバを誘発する。


普天間基地の県外移設は民主党の公約だった。鳩山は5月、普天間基地の県外移設は公約でなかったと嘯いたが、選挙前に鳩山自身が有権者と約束していた。例えマスコミが今後、菅新総理を讃えるだけ讃え、普天間基地問題を無かったかのようにしたとしても、民主党が与党であり続ける限り、沖縄県民や左翼は諦めない。普天間基地問題は民主党には処理不可能な問題でもある。解決する策は一つ、ご破算、即ち公約した党自体の解散しかない。


仮に、小沢色が払拭されたとのマスコミの印象操作が成功し、作戦通り民主党参議院選挙で大勝したとしても、検察審査会が二度目の「起訴相当」を議決したら小沢は強制起訴される。 そうなれば流石のマスコミも見て見ぬ振りができなくなる。民主党内で大勢を保つ小沢派はいわば党のブレインでもある。小沢が有罪となり議員辞職になった場合、求心力を失った民主党は簡単に分裂する。選挙前でも後でも結果は同じだが、国体を守るためにも一刻も早い解決が望まれる。


最後の悪あがきをする民主党を、国民は決して許してはならない。