中華思想の根幹と未来

中華思想は中国人の心の拠り所だが、中国人自身の成長発展を阻害している諸刃の剣でもある。昨今の中国内外の事情を鑑みるにあたり、何故に中華思想は今まで存在出来たのか、そして今後も存在出来るのかを考えてみたい。


中華思想では、中国を中心として離れる程、化外の地とされてきた。これは端的には正しいが、全てではない。中国の中心は皇帝と言うよりも、首都といえる。更には、首都は化外の地であってはならないとの条件もある。
だから、異民族の侵略者は過去の自身の首都を捨て、中国の首都を自身の首都としなければならなかった。こうして中国の首都は侵略者である異民族と、その領土と異文化をも飲み込み巨大化し文明は発展していった。
故に、中国の首都を自らの首都にする戦略など無い日本や欧米は、外圧として徹底的に反撃されてきた。
中国の首都を統べる者は皇帝ではなくても問題はない。過去においては、宦官や外戚が皇帝を利用し幅を利かせ、現在は共産党が彼らに代わって同じ事をしている。
では、その中国が加害者ではなく侵略者となったらどうなるのか。結果は、歴史が証明している。化外の住民は人と認められず文化も徹底的に破壊される。中華思想にとって中華以外は取るに足らない存在なのだから当然の所業か。それが現在の、チベットウイグル内モンゴルだ。中国を侵略し、首都を北京とし清を建国した満州人との待遇の違いには驚く。


中華思想は今後も生き残れるのだろうか。それは限りなくゼロに近いが可能性は有る。中華民国即ち台湾が中国との戦争に勝ち、中華人民共和国が解体され、北京が新たな中華民国の首都となれば可能だ。しかし現実的には、台湾が中華人民共和国に占領され血の粛清が行われる確率の方が高い。


以上により、死に体となった中華思想に明るい未来が無いことが見えてきた。では、それ以外の方法で中国を救うことは出来るのか。それには矢張り、国家を分裂させる他ない。
中国は中華思想が完成した時代にも発展したが、分裂時代にも各国の独特の文化が花開き大いに発展した。例として、過去の三国志時代や南北朝時代が挙げられる。
満州国は、その前兆だったのかもしれない。中国人の全てがこの事実に気付くこと願わずにはいられない。これは中国人の為でもあり、世界平和の為にも必要な事なのだから。