中華思想と攘夷

異民族に対する漢民族の思いは、いつの時代も複雑だ。漢民族が異民族に対し、彼らを旨い汁と思っている時や到底敵わないと思っている時は平穏だが、その均衡が崩れると手のひらを返したように異民族に対し残虐行為を行う。前回取り上げた義和団の乱は外国人排斥運動の延長線上に存在する。義和団の乱の少し前に起こった太平天国の乱も同様だ。太平天国新興宗教団体の上帝会が南京を天京に改名し首都として建てた国だが、打倒清朝即ち打倒満州族大義名分とし辮髪を禁じ漢民族復権を願っていた。過去においては唐代の安録山の反乱以降、緑眼青眼の外国人(胡人)が容赦なく虐殺された事も忘れてはならない。
さて、孫文の唱えた五族共和は今、どうなっているのか。漢民族による蒙古・チベットウイグル女真への民族虐殺浄化作戦が現在進行中といったところであろうか・・・。
戦前では対ロシア(ソビエト)国防の為、日本も中国に関与したが為に一般日本人も大きな被害を受けた。尼港事件や済南事件や通州事件での中国による日本人居留民に対する陵辱虐殺は日本人の想像を絶するものだった。中国による日本人民間人への残忍極まりない数々の殺戮は、当時の日本人や日本政府の対中国政策を更に厳しい方向に衝き動かした。


かのナチスは、東欧系ユダヤ教徒を目の仇にした。しかし、それでも強制収用虐殺施設ではなく、強制収用労働所留まりでもあったとの学説もある。そもそも、虐殺するにあたって資金の掛かる高度な収容施設は必要であったのか?当時、欧米人が途上文明人と蔑んでいた漢民族は、その様な非効率な方法は有史以来行っていない。漢民族に疎まれた異民族や敵は発見次第即、虐殺されてきた。戦後、米国やソビエトの科学力を飛躍的に発展させたナチスが果たして、収容所での非効率な虐殺を行っていたのだろうか?あの史上稀に見る残虐組織と言われたナチスが、ご丁寧に大金を掛けて憎むべき民族を一箇所に集め、憎むべき民族専用の施設を設け態々と虐殺していたのであろうか。当時、ドイツ人に心底恨まれていたユダヤ人は何故、公衆の面前で公開処刑されなかったのか?文化の違いだろうか。では中世の魔女狩りは何だったのか。時代が違う?では、今も続くチベットウイグルでの漢民族による民族浄化作戦は幻想なのか。
幻想では無いとしたら、時代錯誤な中華思想という差別と恐怖による統制を今も行う中国当局に対して、私たちはどう対応すれば良いのだろうか?


漢民族の忌むべき思想は、開国前の日本にも伝播していた。それが尊王攘夷運動だ。しかし、薩摩藩による生麦事件で収束する。そもそも、生麦事件にしても日本の礼節や伝統を全く重要視しなかった英国人に非が無かったとも言えない事件である。英国人は、島津久光一行の目の前を挨拶もせずに馬に乗ったまま横切ろうとした。薩摩藩にとって、外国人であれ何者であれ、日本の掟に従わなかった英国人は秩序を乱す大悪人にしか思えなかった。仮に英国人でなくとも同じ結末なのだろうが、相手が英国人だったが故に国際問題に繋がった。しかし、日本の常識が世界の常識とは限らない。この事件により幕府は多額の償金を払い、世界の常識と日本の常識の違いを痛感するに至る。これ以降、日本において攘夷を唱えるものは非常識人とのレッテルを貼られる事となった。
この攘夷思想は、儒教中華思想に影響された恥ずべき思想だった。これは、現代の親中派の発言にも通じる思想だ(最も、今の親中派は思想よりも金か・・・)。攘夷思想も親特定アジア思想も同じではないだろうか。厄介な事に、過去の日本において彼ら攘夷論者は尊王論者を取り込んでいた。それは尊王攘夷となり勢力を保っていた。しかし、日本において中華思想が天下を取る事はなかった。欧米の実力を目の当たりにし、中国よりも進んだ国家は世界に五万とあるとの事実を日本は素直に受け入れたのだ。対照的に中華思想に心底毒された中朝韓は、この謙虚さを知らないが故に今も苦悶している。日本が攘夷思想を簡単に捨てられた理由としては他に、儒教が中国や朝鮮ほどは浸透しなかった事や、聖徳太子の時代に隋の皇帝に送った国書からも分かるように、既に中華思想からの脱却を果たしていたとの事もあげられる。


中華思想即ち攘夷論に毒された韓国は今、安重根を独立闘争の英雄として奉っている。しかしその実、韓国併合に消極的であった伊藤博文を殺害した一個人の浅はかな行動に過ぎなかった。更に、安重根両班出身の天皇崇拝者だった。この殺害により、併合消極派は勢いを失い、残虐非道で未開な朝鮮を日本と共に正しい道に導くべきとの主張を持つ併合派が勢力を持つようになった。その先には、大韓帝国による日本への併合嘆願要求が待ち構えている(最も、伊藤博文が殺害されなかったら、ロシアや中国による朝鮮植民地化が進んでいただろう。)しかし、日本と韓国は宗主国・植民地の立場ではない。日本と朝鮮は対等の、共栄共存の立場だった。これは、日本から朝鮮への投資額からも容易に推測出来る。この時代、否、いま現在においても植民地に是ほどの投資をした宗主国は皆無だ。(朝鮮は植民地ではないのだから当たり前だが)。滑稽な事に、今の韓国は大東亜戦争時に米国と共に日本と戦ったと妄言している。久しく徴兵制ではなかった朝鮮において、異常な倍率であった日本軍への朝鮮人志願兵は幻想だったのか。全く持って彼らの主張は情けないと言うよりも、自身の祖先に対して失礼としか言いようが無い。


以上からも分かるように、私は攘夷論には否定的だが、尊王論には肯定的だ。これは、和の思想に繋がる。天皇家は世界最長の王朝であり、世界最大の人口を持つ君主国の国王であり、世界唯一であり現在もEMPERORの称号を冠している皇帝だ。これだけ誇るべき事実がありながら今、日本国民は天皇家即ち日本の誇りを末梢しようとしている。それが、女系天皇容認だ。私の信頼する小泉首相も悲しい事に、そこまで考えてはいない。確かに、女性天皇は過去に8人存在したが、彼女達は跡継ぎを配せず、あくまで主流の男系を補佐する存在でしかなかった。これは男女差別ではない、歴史の系統だ。
仮に男性天皇の子の女性天皇が誕生したとしよう。その女性天皇が男性と結婚し子を儲け、その子が天皇になったとしよう。その場合、その天皇の直系を辿ることは不可能となる。即ち、その天皇家は別王朝になるのだ。これは、かの藤原道長でさえ行えなかった不可侵の歴史系統だ。それを、門外漢の人々が今まさに断ち切ろうとしている。どう考えても尋常ではない。


最後に行き着く結論は、何だろうか。
尊王は必要だが、攘夷は必要ない。天皇制は必要だが、中華思想は必要ない。
何か分かってこないだろうか?天皇制を廃止しようとしているものと、中華思想を奨励しているものに対抗するべき策が。


2006年01月28日(土)21時20分AOLニュース
http://news.aol.co.jp/story/news.date=20060128212023&company=40&genre=06&sub=003&article=00000000a127.html
天皇靖国参拝実現を 外相、環境整備必要か

 麻生太郎外相は28日午後、名古屋市で講演し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題に関連し「英霊からしてみれば、天皇陛下のために『万歳』と言ったのであって、総理大臣万歳といった人はゼロだ。天皇陛下の参拝が一番だ」と述べ、天皇の参拝実現が望ましいとの認識を示した。

 天皇靖国参拝は1975年11月以来、行われていない。麻生氏は「なぜ(参拝)できなくなったのかと言えば、公人、私人の話(問題)からだ」と指摘、A級戦犯の合祀(ごうし)が理由ではないとした。参拝実現の環境整備として宗教法人格の見直しなどが必要との認識を示したものとみられる。首相参拝で悪化している中韓両国との関係がさらに冷え込むのは必至だ。

最近はマスコミも靖国神社参拝に対し“アジア諸国が反発している”とのあからさまに嘘と分かる報道をしなくなった。中国および韓国との表現をするようになった事は歓迎すべきだろう。 麻生外相は講演の場所といい中々のツワモノだ。この発言に対し、公明党はどうでるのか。国民が政治に関心が無いときは強力な地盤のある公明党は強い。しかし、国民が政治に関心を持った今、公明党自民党にとってお荷物にしか過ぎない。


東ベルリン事件:「ねつ造」と発表 韓国「究明委」
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20060128k0000m030105000c.html

【ソウル堀山明子】韓国の情報機関、国家情報院の「真相究明委員会」は26日、東ベルリンで北朝鮮当局者と接触していた音楽家、尹伊桑(ユンイサン)氏(95年死去)ら大学教授や留学生など194人が集団スパイとされた67年の「東ベルリン事件」はねつ造だったと発表した。究明委は当時の朴正煕(パクチョンヒ)政権が北朝鮮との接触を無理やり国家保安法違反に結びつけたと断じた。

 事件では西ドイツ在住だった尹氏ら海外在住者30人が韓国捜査当局によって韓国に連行され、取り調べを受けた。究明委はこれについて「当該国の主権を侵害した不法行為だ」と認め、「証拠はないが、朴大統領の指示で行われたと推定される」と結論付けた。

 尹氏は戦前、日本で音楽理論を学び、日本人作曲家を多く育てた。事件で韓国に連行され、無期懲役の判決を受けたが、69年、西ドイツの抗議で釈放された。盧武鉉ノムヒョン)政権発足後、名誉回復の動きが進んでいた。

毎日新聞 2006年1月27日

親日派は根拠の無い罪で糾弾し、北朝鮮と係わり合いのあったものは例え罪があっても、無罪放免。「証拠はないが、朴大統領の指示で行われたと推定される」・・・証拠が無いのに、推定なのに結論は捏造ですか・・・。韓国の親日狩り、親北朝鮮派名誉回復は留まるところを知らない。韓国は今、着実にトンでもない方向に進んでいる。