侵される世界の日本食


世界中で一大ムーブメントを巻き起こしている日本食が、存亡の危機にある。
2007年の開始を目処に農林水産省が進めていた日本食レストラン推奨制度は、日本国内の反日リベラリストの猛反対に直面し立ち消え状態だが、反日リベラリスト達が世界における日本食の現状を正しく理解していたとは到底思えない。


今考えると、反日リベラリストが反対する要因も見えてくる。当時の農相は松岡氏だったが、彼は同年5月に自殺した。松岡氏は守りの農業から攻めの農業を標榜し、農産物はもとより日本食の海外普及をも推進していた。安倍首相の愛国的政治思想と共通している部分も多く、首相の信認も厚かった。故に、安倍首相と同様に反日リベラリストの標的とされる土壌は既にあった。
その後、高額な事務所費用支払いを民主党から糾弾されると、マスコミはここぞとばかりに一斉に松岡氏を叩き始めた。日本食レストラン推奨制度はその最中で制定されたが、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い反日リベラリスト達は良案すら標的にした。
彼らの意見は、「国が民間に制度を強制すべきではない」だの「各国の人々の好みもある」だったが、結果として反日リベラリスト達の意見が通ってしまい空虚な制度となってしまった。
「各国の人々の好みもある」については過去の日記でも述べたが、日本国内の日本食は外国人も美味しいと言う。ミシュランガイドでも理解できるが、日本人は世界一の美食家で日本は世界一のグルメ王国であり、美食に国境が無いのは自明の理である。


『ミシュランガイド東京2009』発表、引き続き東京は世界一の星が輝く


農林水産省の海外日本食レストラン推奨・有識者会議は、去年の三月に第三回を最後に打ち切られ、「正しい日本食」の基準が設けられないまま定義の判断は民間に委ねられた。
反日リベラリストの意見を取り入れた今、世界の日本食はどうなっているのだろうか。


「にほんしょく街」規制の動き=アジア系集中、住民が懸念−パリ JIJI PRESS 2009年5月3日(日)

【パリ3日時事】日本食レストランなどアジア系店舗の集中が進むパリ中心部のサンタンヌ通り一帯で「なじみのパン屋や肉屋が消えてしまう」と懸念 する住民約200人が、出店規制を求める嘆願書を市議会に提出、実態調査の実施がこのほど決まった。欧州有数の「日本食街」として知られる同地区だが、新 たなレストラン開店が難しくなる恐れもある。
 日本貿易振興機構ジェトロ)によると、フランスでは1980年代にパリに50店ある程度だった日本料理店がすしブームに乗って90年代後半から急増。今や約1000店に達した。
 大半はすしと焼き鳥を組み合わせた中国・アジア系店だが、サンタンヌ通り付近は「本物」のラーメンやうどん、お好み焼きの店など20以上が軒を連ね、パリっ子にも人気がある。
 ラーメン店「ひぐま」の経営者、平田建洲さん(64)は「お客さんの95%はフランス人。いろんな日本料理店がそろうこの通りへ来るのを皆が楽しみにしているのに、一方的過ぎる」と規制への動きを批判した。
 住民のロマン・アトグさん(41)も「誰が多過ぎるなどと言うのか。日本料理店が多いのは便利で結構」と話していた。

 

欧州の中華レストラン、日本料理に続々転業の理由とは?―中国ブログ 2009年4月30日 レコードチャイナ


ドイツでも日本人による日本食屋が減る一方で、こだわりを持たない見た目だけの(もしくは見た目も醜悪な)日本食を提供するアジア系経営者の日本食屋が増えている。
中華料理店から日本食屋に変わる店はドイツでも多いが安直なリニューアルばかりで、店名は「東京、将軍、京都、一番」など日本人であれば名づけないものが多く、赤を基調としたドギツイ店内にも違和感を抱く。箸は長く、先が尖っていない中華箸ばかり。
私が最近行った店では鉄板焼きと寿司を提供していたが、店員は全て中国人。鮮度が重要な刺身は色が悪く、なにやら生臭い潮の香りがすると思ったら、本当に塩辛かった。味噌汁は無く中華スープで、お茶はジャスミンティーだった。
中華系の日本食屋では昼はビュッフェが多く、必ずといって良いほど、寿司と一緒に脂っこい中華料理が並んでいる。タイ系の日本食屋では味噌汁の代わりにトムヤンクンが出て、朝鮮系の日本食屋はガリの代わりにキムチが出る。食い合わせが良ければ文句は言わないが、寿司と脂っこい中華料理ではヘルシー志向から外れてしまうし、辛いキムチやトムヤンクンでは繊細な寿司の味が薄れてしまう。
外国の中国人や朝鮮人は祖国の人々よりも反日は薄れるが、それでも反日的な人々が日本料理店を営業するのは、利益率が高いからだ。対照的に、中華料理は廉価で利益が上がらない。韓国料理に至っては知名度が無く客が来ない。


ブームに乗ろうと日本食屋が乱立すれば、質の低下は免れない。日本食とは名ばかりの不味い餌が客に出され、客は訳も分からずに日本食を理解した気になる。
日本政府がこのまま何もしなければ、結果は目に見えている。
嘗ての欧州における中華料理店の様に「味は全部同じで、不衛生で危険な不味い食べ物」との評判が定着し、日本食本来の良さも分からないまま飽きられる事だろう。元来、生の料理が無かった中華料理や、唐辛子と塩とニンニクで漬け込んだ韓国料理では衛生概念が育たなかったのは理解したいが、安易な考えで生の多い日本料理を作られては“和食=食中毒”とのイメージが付きかねない。
それだけならまだ良いが、日本料理屋は中華料理店に代わる新たなマネーロンダリングとマフィアと不法入国斡旋の巣窟となるだろう。


麻生首相安倍氏と同じく、国を思う人物だ。今こそ、再び政府主導の日本食制度を制定すべき時ではないだろうか。むしろ、時局を鑑みるにあたり猶予は無い。


当日記内:2007-01-23 日本食の定義を崩すアナーキスト達


当日記内:2006-11-28 日本食の伝播力と、それを阻害するもの


当日記内:2005-04-20 日本式飲食店と日本風飲食店



偉そうな事を言ってしまったが、本当はちゃんとした日本食が食べたいだけなのかもしれない・・・。