現代に蘇る富国強兵




世界の艦船 2009年 07月号 [雑誌]


巷では、北朝鮮は戦前から戦中までの日本を真似した似非大日本帝国、韓国は戦後の日本を真似した似非日本国とも言われているが、両国とも表面しか真似が出来ない為か、経済も政治も既に破綻している。明治維新世界大恐慌、敗戦、及びバブル経済から日本が幾度となく立ち直ったのは偏に技術と伝統の蓄積があったからだが、残念ながら両国には無い。


北朝鮮や韓国とは対照的に、中国は奮闘している。
中国が共産政権であれば、開放路線を行った時点で崩壊するのは時間の問題だったが、予想に反して政権を維持している。
共産主義の理念とは簡単に言えば“資産の平等”だが、中国は既に世界でも指折りの格差社会となっている。故に、現体制は共産党体制でないとの結論になる。


当日記内:チベット大虐殺(表現の影響力)


開放路線を走ることになった中国共産党は、政権維持の為にも新たな理念が必要となり、明治政府がモットーとした“富国強兵”に目を付けた。
中国は、150年近く前の時間軸で現代世界を生き抜こうとしているが、国家が発展している時代の“富国強兵”は貧しい国民にも将来への希望を与え、成長過程にある途上国には理に適った政策ともいえる。世界を舞台に自国の強力な軍事力を誇示すれば、中華思想に洗脳された中国人民であれば誇りにも思うだろう。
上海や北京の発展を見せられながら、「今は貧しい人々も、将来必ず豊かになれる」と唱えられれば、無垢な人民は信じてしまう。
問題点は14億もの人口と、一人っ子政策による急激な高齢化社会だろう。中国経済が成長しているのは安い人件費が要因だが、今後仮に付加価値のある製品を作り出したとしても、全ての人民が先進国民と同様な豊かな生活をしたら地球環境は壊滅してしまう。しかしながら、その前段階で中国の自給率は極限まで低くなり、資源が枯渇し世界経済もしくは中国経済自体が立ち行かなくなるだろう。故に、全ての人民が豊かになるのは不可能との結論になる。
中国共産党が余剰人口と高齢化による弊害を埋めるべく、海外に新天地(植民地)を求めつつあるのは自然な流れともいえる。


富国強兵は、強い外的志向を齎す。中国は今、世界支配の足がかりとしてアジア・アフリカへ照準を合わせている。日本のODA横流しによるアフリカへの莫大な中国の有償援助は知るところだが、アジア諸国に対しては対象国家の特性に合わせた様々な戦略で影響力の行使を目論んでいる。


東南アジアの共産党は華僑や中国工作員が設立したものが殆どで、今でも中国系が幅を利かせている。世界の共産主義が崩壊する中、アジアで未だに共産党勢力を保ち続けているのは、中国共産党が重要な影響を与えているからだ。


毛派共産党はネパールの王政を廃止させ政権を握った。毛派共産党はテロ組織としても知られ、インドでは非合法化されている。中国共産党は表向き、毛派共産党と敵対しているが、毛派が中国の近隣諸国でしか活動していないとの現状は、あからさまな繋がりを暗示している。
悪名高いカンボジアポル・ポト派も毛派の一派だが、中国の支援を受けていたのは有名だ。


アジア諸国共産党は中国覇権主義に大きく関わっており、共産主義の拡張というよりも、中国人の利益を第一として活動している。
アジア諸国に中国人(華僑)が存在する限り共産党勢力も無くならないだろう。アジア諸国共産党とは即ち、漢民族至上主義党でしかない。


  • 戦略 = 対象地域
  • 毛派共産党のゲリラによる政権奪取 = 華僑の影響力が小さい近隣諸国(ブータン・ネパール・インド)
  • 親中勢力への支援による政権奪取 = 日本、韓国、台湾

以上の三通りに追加して、中国が将来的に考えている戦略として軍事力の行使もしくは威嚇が上げられる。


中国は今、空母を建造している。インドネシア・マレーシア・東ティモールでは過去、華僑と現地人との諍いで多くの死者を出した経緯があるが、再び紛争が起こった場合、治安維持と同胞の保護を名目に、人民解放軍を現地に派遣する可能性も否定できない。
人民解放軍の駐留を足がかりに、イラクにおけるアメリカのように周辺地域の権益確保に走るのかも知れない。


日本は民主党という親中政党によって中国に飲み込まれようとしている。昨今、流行っている地方分権にしても、沖縄や北海道等を足がかりとした中国人や韓国人の自治権確立を目論んだ前哨作戦と思われる。民主党代表の鳩山氏に及んでは、社会保障までも地域に任せるとのたまっている。制限の無い地方分権は過剰な地域格差を生み、しいては国家分裂を招く。
マスコミは聞こえの良い民主党マニフェストだけを賛美し、本質には見て見ぬ振りをする。対照的に、麻生首相の功績は見て見ぬ振りをして失言ばかり叩き、世界一豊かで恵まれている日本を卑下し、国民の自信を喪失させている。


富国強兵をモットーとする中国の工作に対し、日本はどう対処すればよいのだろうか。
これには、真実に目覚めた国民が訴え続けるしか方法が無い。
現状を悲観する必要は無い。村山政権時代は多くの禍根を残したが、どれだけの人々が危機を訴えていたのだろうか。対照的に現在は、インターネット上で多くの人々が民主党政権の齎す危機を訴えている。歴史における偏向報道が著しいNHKへの抗議運動や、原告8400人という史上最大規模の集団訴訟は、インターネットを越えた大きな反響となっている。


米国に対し、民主党が如何に危険な政党か訴え続けるのも良い。アメリカの「911事件」は陰謀であり真相究明すべきだとの論調が、藤田幸久参院議員を筆頭に民主党内から上がっている。アメリカ政府にとって非常に都合の悪い話なのは、疑うべくもない。
民主党は米軍への給油支援取りやめや地位協定見直しも視野に入れており、「次の内閣」福総理大臣の小沢一郎氏は、「在留米軍は第七艦隊で充分」発言に代表されるように反米路線を貫いている。


中国本国への対策としては、ウイグルチベットの惨状を今以上に世界に訴え続けるべきか。
今、ウイグル結婚適齢期の女性は強制連行され半強制的に漢民族男性と結婚させられている。ウイグル本国では人工中絶を敢行し、二面政策でウイグル民族殲滅を行っている。
世界のイスラム教徒は何故、何も物申さないのだろうか。


妹の中国本土への強制連行に反発したウイグル人女性が政府職員をナイフで刺すRFA 2008年5月15日



日本はインド・ロシアと三大国対中包囲網を築く必要がある。流石の中国も、三大国を相手に紛争を起こすほど無謀ではないだろう。


しかしながら、難民を防ぐためにも内乱を経ずに中国の分裂を促す必要がある。
もっとも、現段階でも無意味な友愛外交により不法滞在の中国人は増え続けている。個人旅行者に対してもVISA発行が7月から解禁されるが、同政策は戦時の難民よりも多くの不法在留中国人を生み出すようにも思える。


中国人観光客にビザ効果? 訪日の個人に7月解禁 6月25日 NIKKEI NET(日経ネット)


膨張し続ける中華思想、アジアの火種やアジア諸民族の叫びは中国が分裂しない限り止められない。
中国を平和裏に分裂させるにはどうすればよいのだろうか。
日本が大きなキーパーソンとなっているが、次回は日本の進むべき道について愚考してみたい。



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