日本式飲食店と日本風飲食店

mensch2005-04-20


ここドイツでも、昨今の日本文化の流入には目を見張るものが有る。外食産業では今、日本食が持てはやされている。
しかし、その実は非常にお粗末なもので店内に入っても、実際はアジア系の出所の分からない者が見た目だけの日本食を作っている事が多い。また、中国と日本が区別出来ていない店もある。


例えば最近、私の自宅近くに出来た寿司店が良い例か。
勿論、こちらも日本人経営ではない。何処がおかしいかというと店名なのだが、「丹丹」と書いて「ダンダン」と読む。中国語読みだが、ドイツ人には勿論分からない。
多分漢字本来の意味で、真心や赤(日の丸のイメージか)を表現したかったのだろうが、日本人に対して丹丹との表現だけで真意が伝わるのだろうか(最も、日本人など相手にしていないのだろう)。無論、この店に対しては行ってみようという気持ちすら起こらなかった。


それ以外にもタイ・スシの組み合わせも多い。タイと日本はドイツとイラクの距離よりも離れているし、そもそもタイには日本発の寿司しか現存しない。
また、韓国人が寿司朝鮮起源説を広めている事も問題だ。これら惨状からも分かるように、飲食店業界での日本人資本の勢力は極めて弱い。対照的に現地の企業やアジア系の移民達の方が余程上手く経営している。


だが、彼らに対抗する術はある。日本式経営をそのまま行えば良い。日本のファミリーレストランは、徹底したサービスが行き届いている。小売店セブンイレブンも、今や日本の誇るべき経営の象徴だ。
日本のファミリーレストラン企業に欧州進出を提案するつもりはないが、活躍出来る土壌は大いに有る。人はどこの国の人間であれより良いサービスを求めている。


では、現状の日本料理屋はどうだろうか。残念ながら、例え日本人の経営だとしても日本式経営をそのまま行っている店は少ない。簡単な事でもドイツ式にしてしまう。
代表的な例としては、飲料水のサービスがあげられる。欧州では飲み物は全て有料だ。
無料とまでは行かなくても、せめてミネラルウォーターとお茶類は1ユーロ以内に抑えられないものだろうか。
オシボリも日本の代表的サービスといえる。保温機等の設備が無いと難しいのかも知れないが冷たいオシボリでも充分に思える。
それ以外には、チップの受け取りをしないとの張り紙も良い。写真を全て載せたメニュー表も良い。余裕が有れば、ショーウィンドウにサンプルを並べても良い。
ともあれ、可能な限り日本の進んだサービスを提供してみる事が、売り上げ向上につながりそうだ。