アメリカの凋落 日本の隆盛

最近のトヨタの勢いは凄まじい。北米の高級市場ではレクサスがメルセデスベンツを凌ぐ信頼と販売実績と高級イメージを確立した。また、4月のアメリカでの新車販売台数は前年同月比でGMが4・1%減している中、トヨタは25・9%増であった。北米クライスラーの販売台数をも抜いた。
これはビック3の再編を意味してる。ビック3に日本メーカー、すなわち外国メーカーが新たに加わる事となる。


そして、好調なトヨタに援助を求めてくる自動車企業も現れてきた。それが三ヶ月連続の大幅赤字を出しているGMだ。GMのワグナー会長が直々に日本に赴き、トップ会談を行うようだ。GM再建に向けての連携強化を求めての日本参りだが、トヨタは注意しながら相手にしなければならない。
過去にヒュンダイに技術提供をした三菱は、利用されるだけ利用されて捨てられた。韓国で技術提供をしたホンダも同じくだろう。確かに、韓国企業とアメリカ企業は違うが、利益を求める点では同じだ。
この点での戦略は、欧州企業が得意とする。ルノーがカルロス・ゴーンを日産に送り出したように、重要な技術は与えなくても内部改革を行い利益を上げる事も出来る。更にルノーは、日産の技術などの良い部分を得る事も出来る。


今後、トヨタが生き残って行く為には日本的な協調性だけを考えずに、ある程度、利己的な戦略を持つ必要がある。好調なトヨタに対して何故、GMは不調なのか。それは無闇なグループ拡大に原因があったのではないだろうか。業績の悪化した企業ばかり買収して大きくなっても、お荷物が増えるだけだ。
ドイツは東西が一つになって、更に強大な国家になると期待された。しかし、現実はどうだろうか。GMはオペルやサーブといった不採算企業を上手く使いこなしていない。最近では、MGローバーが誰も買い手が見つからなかった為に歴史の幕を閉じた。
グループ拡大の時代は終わった。落ち目のGMを援助するのも良いが、その条件としてスズキやイスズへのGMの出資を停止させ、替わりとしてトヨタがこれら日本企業へ出資を行うのもトヨタの強化につながるだろう。