イノセンスを観て思う事

本日、押井守監督のイノセンスを観た。
物語の展開や観客を引き込む力には、相変わらず素晴らしいものが有ると素直に思ったし、言葉の言い回しも私には堪らないものであった。この言葉の言い回しは、電脳やネットによりもたらされるとの意味合いを出したかったのだろう。


過去を越えられなかった点として映像は一見素晴らしいが、全てCGの映画ファイナルファンタジー程のインパクトが無かった点と、日本の家庭用ゲームの世界観を越えられなかった点であろうか。監督はマトリックスに影響を与えたが、PSのゲームであったクーロンズゲートセガの家庭用ゲーム機のソフトとしてアトラスから発売されたデスピリア等の世界観を越えられなかった(知らない方に簡単に説明するが、クーロンズゲートは香港の未来の電脳社会を表現し、デスピリアは愛玩用の人造人間やアンドロイドによる人間への反逆と精神の境の曖昧さを説いたゲームであり、陰鬱で混沌とした世界観が非常にイノセンスと似ている)


これらはまだ良いが、やはり気になった点は未来観であろうか(前作も同じではあるが・・・)。
昨今の未来像=中国には辟易する。確かに現在、発展する中国に未来を感じるのは自然な成り行きだろう。世界最大の人口を有する中国に驚異を感じるのも事実だろう。しかし、それは過剰な期待に過ぎないのではないだろうか。
中国は今まで何も無かった国なのだから、発展して当たり前だ。有る程度発展したら、ブラジル並の国家に落ち着く事は予想出来る(人口問題を口実に、中国人が各国に移民する未来像は危惧できるが・・・)。


日本のクリエイターは、もっと日本に誇りを持ち、歪められた大東亜共栄圏の実現をする必要があるのではないだろうか。この映画を観るにあたりカタカタやひらがなは一切出ない、あるのは漢字とハングルだけだ。
マトリックスを代表する各国の映画が、日本のひらがなカタカナを重宝するにあたり、当の日本人が中華思想に侵され始めている現実に日本人は危機感を感じるべきであろう。


この映画の全体的印象としては、物語の展開や言い回しには大満足であったが、世界観は過去の遺物を越えられなったとの点に尽きる。
とは言え、最近のアニメ映画では最高の出来ではないだろうか。後は昨今の反日暴動で、日本人が健全な未来観を取り戻すこと祈るのみだ。そうならない限り、極東の知識に乏しい欧米人は更に歪んだ日本観を増徴するだけだろう。