ドイツは晴れ間が少ない。それは人の心にも影響を与える。
日本では雨も情緒の有る風情とする風潮がある。シトシトと降る雨の中、家の中での読書が心の安息に繋がることも多い。
そういった日本とは対照的に、日照時間の少ないドイツでは雨は無情の仕打ちに思える。ドイツの雨は人に陰鬱を与える。重く暗く低い雲、霧雨の様なはっきりしない雨。雨の日は色々と考えてしまう。


この世は、人の心次第で天国にも地獄にもなるのではないだろうか。今を天国と思うか地獄と思うかは、その人の心次第なのだろうか。であれば、今を不幸と思う自分に問題があるのだろうか。ならば何故、今を幸せと思えるように努力をしないのか・・・。


不幸な人にも幸せな人にも、無慈悲にそして平等に与えられる天候、時間、環境。それは、ある人を高揚させ、ある人を絶望に追い込む。
だが、無慈悲な中にも垣間見るドイツの晴れ間は、日本の快晴よりも多大な希望感をもたらしてくれる。それは、落ち込んだ人々を癒し希望を与えてくれる。
そんなドイツの晴れ間に感謝しながら、自分は生きている。