虫を愛でる人々


ドイツ人の自然を愛する心に、日本人も共感できるのだろうか。
私の住む町のショッピングモールで、世界の昆虫展示会が行われている。無料であり、勿論生きている。そして、展示している場所は、日本であればクレームの一つでも来そうな場所にある。


会場はショッピングモールの特別会場ではなく、一階のメインストリートだ。その通りには生鮮食品を扱う店や、飲食店が連なっている。客は昆虫、猛毒クモやムカデやハエを見ながら食事が出来る(ショウジョウバエセミもご丁寧に展示されてある)。これ程までの自然に対する寛大さを、日本人は持っているのだろうか。とは言っても、猛毒タランチュラや巨大ミミズを見ながらの食事を見習うべきか否か、迷うことろだ。
この展示会で思い出したが、ドイツ人は夏場に数十のハエが飛んでいるインビス(軽食屋)で、自分の食べ物にハエが付いても払わない。パン屋のショーウィンドウのパンの匂いにアブが集っていても問題ない。矢張り、自然に対して寛容なのだろう。


私の思う”ドイツ人=森の人”との表現は適しているが、日本人の幼少期に良くあるカブトムシやクワガタやセミが大好きだとのレベルを超えている。
ドイツ人にとっては、生き物皆、仲間なのだろう。ドイツにて、共栄共存の原型を発見するとは思わなかった。もしかしたら、このような構図を好奇な目で見る自分は異常なのかもしれない。