血の粛清

14日付の中国紙、新京報などによると、北京の南西約220キロにある河北省定州市でこのほど、発電所建設のための土地収用をめぐり、立ち退きを拒否する地元農民を数百人のグループが襲撃、村民ら7人が死亡し、48人が重軽傷を負った。
 中国では各地で開発用地をめぐる住民と開発側のトラブルが起きているが、これだけの死傷者が出るのは異例。同紙によると、市の共産党委員会書記と市長が13日までに省当局から免職処分を受けた。
 同紙によると、衝突があったのは11日未明。立ち退きの費用を不服として建設予定地に穴を掘って立てこもった農民らを、北京市などで集められた出稼ぎ労働者らのグループが手製のやりなどで襲った。労働者を組織したのが誰かなどは明らかにしていない。
 定州市当局者は共同通信に対し、事件の発生を認めた上で、当局内に特別対策チームを作ったことを明らかにした。しかし、死傷者の有無などは確認を拒否している。(共同)

襲撃した労働者を組織したものが誰なのかが一番の問題だが、迷宮入りの蓋然性は高い。この惨事は、中国の現実を端的に顕している。これから、中国の拝金主義・言論弾圧・非民主主義が読み取れる。
定州市は北京から近く昔から交通の要所であり、陶磁器の町として日本からも観光客が訪れている。日本人は中国を旅行するにあたり、どれだけの知識を持って挑むのか。中国の内情は日本人が想像する以上に不安定だ。
中国人の集団エネルギーは凄まじい。その矛先はこの先何処へ向かうのであろうか。