アウトバーン

ドイツが誇る速度無制限の高速道路アウトバーン。更には、無料だ（最近では、トラックに限り衛星システムによって課金されるようになった）。無論、全ての区間が無制限な訳ではなく、カーブや分岐点や工事現場では６０キロ速度制限の場所もあるが、それ以外の場所は速度無制限だ。
三車線の場合は一番右がLKW（トラック）や遅い車で通常は80キロから120キロ位で走る。LKWに至っては明確な速度制限がある為、100キロ以上出してはならない。中央は大体120キロから150キロ位の速度を保っている。左端は無制限だが、通常は150キロから180キロ位で走っているが、ポルシェやその他の大排気量車は200キロ超で走っている場合も多々ある。日本では想像できないスピードだが、アウトバーンは道幅も広く、カーブも殆ど無く遠くまで見通せる造りである為、想像するよりも高速感は無い。
日本では速度を出さないように意図的にカーブを設けている地点もあるが、ドイツでは意図的にスピードを出せるように造られている。日本の高速道路はカーブも多く道幅も狭いため、想像以上のストレスと技術を要される。これは日本の一般道も同じだ。道の造りをとっても、日本人の運転技術はドイツ人よりも磨かれているのではないかと思う。にも関わらず、F1でもシューマッハ以上の日本人ドライバーが出てこないのは何故だろうか・・・。偏に、スピード感に対して日本人は常日頃から慣らされていない為だろうか。
ご存知の方も多いと思うが、アウトバーンはヒトラーの構想で完成した。ナチスとヒトラーに冤罪を擦り付ける現代ドイツはヒトラーの恩恵によって発展したといっても過言ではない。仮にドイツが戦争に勝っていたらアウトバーンは欧州全土に広がり、今よりも早く一つの巨大な欧州共同体が出来上がっていた事だろう。
もしかしたら、現在のドイツ主導によるEU拡大はヒトラーの意思を継いでいるだけなのかもしれない。それともヒトラーは、今の欧州政治家と同じ位に進んだ世界観を有していたのだろうか。ヒトラーの名は出てこないが、望むと望まざるとに限らず、彼の偉業を達成しようとする息子達が今のドイツには存在する。