ロンドン爆破テロ

ロンドンで、イスラム過激派組織によると思われる悲しむべきテロがおきた。思うにロンドンは昔からテロの標的であった。今回も犯行の手口からIRA(アイルランド共和国軍)のテロと思われた。これに類似した事件として、去年に起こったスペインマドリッドでの列車爆破テロが挙げられた。
だが、犯行声明が出たからといって即、その組織が起こしたとは言えない。アブハフス・アルマスリ旅団はスペインの列車爆破テロでも犯行声明を出した。更に、この組織は2003年8月のアメリカとカナダで起きた大停電の時も犯行声明を出したが、大停電の原因はテロではなかった。
何故、欧米マスコミはイスラムに結び付けようとし、大きく報道するのだろうか。スペイン列車爆破テロも、ETA(バスク祖国と自由)の犯行では無いとは言い切れない。それ以外の国では、アメリカも同じくテロの被害にあっている(911テロの真相は闇の中だが)。そして、ロシアはチェチェン独立派のテロが後を絶たない。
英国やスペインやロシアは自国の領土内に民族問題を抱えている。アメリカは世界各国に自国の軍隊を抱えている点から世界の警察ではなく、世界の宗主国たる地位にいる。更にこれら国家は第二次世界大戦の勝者または中立国であった(スペインのフランコ将軍はドイツの支援で政権を掌握したにも関わらず、半ば裏切る形で第二次世界大戦では中立の立場をとった。)
対照的に、日本やドイツは自国内の移民問題は別として、古来からの民族問題を抱えていない(アイヌ琉球も現状は既に同化されている)。この点では、双方とも、第二次世界大戦に負けて良かったのかもしれない。仮にイスラム組織の犯行とした場合、日本も注意が必要だが、中国は更に注意する必要があるだろう。それがウイグルだ。今後、ウイグル中央アジアの情勢不安やイスラム原理主義の高まりに影響される可能性が高い。更には、国外のイスラム過激派組織の援助を受ける可能性もある。
民族問題を抱える各国は、弾圧が更なる被害を生むだけとの事を理解しなければならない。民族弾圧にもテロリズムにも、正義は存在しない。