ドイツのファーストフード事情

ドイツ人は基本的にノンビリ屋だ。そんなドイツ人気質からか、アメリカから来たファーストフード店もドイツ風になる。何がドイツ風かといえば、遅い・愛想が悪い・無頓着であろうか。おおよそ日本にもある同じ系列店とは思えない雰囲気を醸し出している。
まずは対応の遅さが、日本と違う点として挙げられる。ドイツ人の我慢強さは、スーパーのレジ待ち行列でも分かるが、ファーストフード店でも同じだ。場合によっては30分待つ事もある。行列の出来る旨い店ならまだしも、ファーストフード店だ。それでもドイツ人は文句も言わず黙って並んでいる。そして店員も、慌てる事無く私語を交えながら接客する。愛想の悪さはファーストフード店でも同じだ。無論、スマイルサービスは無く、場合によっては一言もしゃべらない店員もいる。
無頓着さも日本とは違う。清潔を売りにするファーストフード店でも、ハエが店内を縦横無尽に飛んでいる。そして、店内カウンターのテッシュや塩コショウが無くなっても、誰も気付かない。更に、店員が休憩を店内テーブルでとる事も多い。要するにお客と並んで座り、タバコを吹かすのだ。
ドイツのファーストフード店はスローフード店と言っても過言ではない。ドイツに昔からあったインビス(軽食屋)のほうが、料理が出てくるのが早いのは何故だろうか。しかし、良い点も多い。許容の心をお客に植えつけるからだ。日本の店員よりも、明らかにドイツの店員はストレスが少ない事だろう。
どうでも良いが、ドイツ人はファーストフード店でもポテトが好きで、これにマヨネーズかケチャップを追加出来る(別途有料)。無論、飲み物は相変わらずコーラがメインとなっている。もっとも、それ以外にはスプライトかオレンジファンタか水しか選べないのだが・・・。
日本のファーストフードの店員は、ドイツの店員よりも仕事の難易度もストレスも多いのだろう。だからなのか、ドイツのファーストフードの店員は移民が多い。日本人は、ファーストフードの店員にも過酷な要求をする。仮に、ドイツのファーストフード店がそのまま日本に出来たらクレームだらけであろう。日本人の心は、いつから矮小になったのであろうか。