ドイツ人のイメージ

ドイツ人の一般的イメージ・ドイツ人の気質として最初に何を思いうかべるだろうか。


最初に、勤勉があげられる。しかし、これは全く当てはまらない。殆どのドイツ人は、午後4時半前後に仕事を終えて帰宅する。無論、完全週休二日で有給休暇もしっかりとる。ドイツの失業率の高さは、何も仕事が無い事が原因なだけではない。働かずして政府より多大な援助金を貰えるとの一因もある(最近はそんな風潮を察してかドイツ経済の低迷の為か援助金も減りつつある)。


それ以外では、真面目とのイメージが挙げられる。これは間違ってはいないが、多少異なる。ドイツ人は真面目だが、生真面目では無い。ある意味、大陸的なおおらかさを兼ね備えた真面目さだ。神経質ではない物静かな性格とでも例えられるだろう。


訴訟や討論が好きとのイメージもあるだろう。これは実際と違う。何か問題が起こっても、当人同士で解決したり、多少のイザコザがあってもその場は文句を言うが、翌日になればころっと忘れている事が多い。ドイツ人は根に持つ事が無く、ある意味男気のある性格とも言える。


ファッションセンスが無い、とはいえ、一般的に小奇麗に着ている。一昔前の日本の様に、タータンチェックの服の裾をジーパンの中に入れている格好の若者が結構多い。アメリカの様なストリート系の若者は、日本程多くは無い。そしてヘビーメタル系やパンク系の服装は、最近の日本では皆無に近いが、ドイツでは多々見受けられる(東欧諸国出身者のネオナチを除いたとしても)。ただ、ファッションセンスが流行を追っていない事は確かだ。そして、ブランド品も殆ど持っていない。


清潔好きとも言われている。この点は間違い無い。台所が調理で汚れる事すらも毛嫌いする為、火器を使わない料理を好む。故に、ドイツ人の食生活は質素なのであろう。


環境を大切にするとのイメージもある。これは多少違う。路上へのゴミ捨ては、日本以上にある。だが、ドイツは公共での清掃事業が発達しており、翌日にはゴミが無くなっている。要は市の清掃局が朝、町を清掃しているのだ。ドイツ人は家の汚れは自分で綺麗にするが、公共の汚れは公共の団体が綺麗にすべきだとの、ある種歪んだ思想を持っている。公共のゴミを拾う行為は、清掃業者の仕事を奪うことだとの思いを持っているからだ。この点については、ドイツは誤った方向に進んでしまったと言える。これは学校でも同じだ。子供が汚した教室やトイレを、清掃業者が綺麗にしている。


規則を守るとのイメージもある。規則については確かに守る。スピードは出すが、交通マナーは他欧州諸国とは比べものにならない程良い。ドイツ人の真面目さが分かるところだ。


これらからも分かるように、ドイツ人は不器用ながらも憎めない愛すべき民族といえる。日本は、周辺諸国の価値観や民族性の異なった馬が合わない人々を理解しようと努力することも大切だが、日本人と馬が合うポテンシャルを既に有しているドイツ人に、もっと注目すべきだろう。