日本企業の世界シェア

mensch2005-07-19

トヨタ自動車の母体企業、豊田自動織機。あまり知られていないが、同社はフォークリフトの生産台数で三十九年連続日本一、子会社を含めた世界シェアでもナンバーワンの企業だ。六月に就任した豊田鉄郎社長は、世界シェア四分の一から三分の一へと引き上げることを宣言するなど元気がいい。社名から想像も付かない事業展開から、トヨタにつながる優良企業ぶりが見える。(名古屋特派員 茂谷知己)
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≪「トヨタの強さ」“源流”でも健在≫
 トヨタグループのルーツにあたる豊田佐吉翁発明の自動織機を事業にもつ豊田自動織機だが、売上高一兆二千四百億円に占める繊維機械の比率はわずか4%に過ぎない。売上高の半分は自動車部品、四割近くがフォークリフトをはじめとする産業車両が占めている。
 フォークリフトは昭和四十一年に日本でトップとなり、そのまま日本一の座を維持し続ける。昨年のシェアは42・6%。二位のコマツ(約19%)、ニチユ(同11%)を大きく引き離し、今年も一位は確実。「来年の創立八十周年、フォークリフト生産開始五十周年に、四十年連続日本一も祝えそう」(広報部企業広報グループの田中久司グループリーダー)
 フォークリフト市場は昨年、日本経済の復調を受け、販売台数七万五千台余りと前年比10%も伸びた。二けた増は十五年ぶりだ。今年上半期も前年同期を上回る三万九千二百六十九台で、豊田自動織機は一万六千百十三台を販売した。最近は低公害のバッテリー式に人気が出て、昨年は国内市場の45%を占めた。
 豊田自動織機のシェアトップは、製品の質に加え、販売をトヨタ自動車が受け持っていた事情もある。自動車の販売力の強さがフォークリフトに反映されてきた。ただ、平成十三年トヨタ自動車から豊田自動織機に販売部門が譲渡されたが、シェアは落ちなかった。
 新社長に就任した豊田鉄郎氏は、就任前の四月、販売代理店の大会で、二十二年までにスウェーデン子会社のBTなどとあわせた世界シェアを、現在の四分の一から三分の一に引き上げる構想をぶち上げた。鉄郎氏は、トヨタ自動車の“中興の祖”豊田英二最高顧問の二男。三年にトヨタ自動車から移った。
 目標は現在の販売台数の半分を上乗せした二十五万台。昨年BTブランドなどを除くトヨタブランドだけで、世界初の単一ブランド十万台の販売を達成しており、自信に裏打ちされた構想だ。
 豊田自動織機の強みは、フォークリフトだけではない。カーエアコンの心臓部にあたるコンプレッサーも、世界シェア40%でトップを誇る。
 田中さんは「愛知県外の人は、今も繊維機械だけせっせと作っていると思っている」と苦笑するが、トヨタ自動車に隠れた優良企業に違いない。
産経新聞) - 7月18日

日本企業の力は凄い。恐縮ながら、この分野での影響力をこの記事で始めて知った。私と同じ感情を抱いた日本人も少なくないと思う。
日本企業は、過去のアメリカにおける資本買占めに代表される負のイメージ(日本脅威論=日本排斥運動)が高まることを恐れている。確かに、ドイツでもこの分野は日本企業の土壇場だ。この分野でのドイツ企業は、殆どが日本企業の子会社と化している。だが、それでも謙虚さを忘れずに行動する事が日本人には一番合っているのだろう。