日本名風洋服店

mensch2005-08-08

日本ではフランス語を店名に用いた洋服店があるが、此処ドイツでも外国風の名称を店名にしている洋服店は多い。昨今では日本名を用いている店も多いが、それは寿司屋だけではない。
最近発見した店名には、一瞬目を疑った。その名も『モード&アクセサリーGINZA』。銀座は言うまでも無く日本のファッション中心地ではあるが、ドイツでこの名称を見るとは思わなかった。
日本のデザイナーは世界で活躍しており、昨今では日本風の名称を使ったブランドも多い。婦人靴ブランドの『AKIRA』も最近多く見かける。日本人デザイナーの力を借りずとも日本の文化力は今、ファッションにまで及んでいる。そして、米国チェーン店のニューヨーカーでは意味不明なカタカナや漢字が氾濫しているが、最近では、それ以外の店でもカタカナの文字が入った服が売られている(なぜか、欧米人は漢字やひらがなよりもカタカナが好きなようだ。私見だが、見た目が他の文字よりはローマ字に近く違和感を感じない為であろうか)。英語圏の人間が、日本国内の英語入りの服を綴りや表現が可笑しいと笑ったり憤慨したりする事と同じ現象が、ドイツでも起きている。意味の無いカタカナの羅列は別として、意味のあるカタカナも微笑ましく見えるのは何故だろうか。Tシャツに堂々と『絶対ブランド』や『原宿デザイン』と書かれていたりするとデザイナーは意味が分かっているなと思わせる。多分、当のデザイナーは真面目に考えたのだろう。これは、日本で『NEWYORK DESIGN』と書いてある服を着ているようなものだろうか。『NEWYORK DESIGN』よりも『原宿デザイン』が微笑ましく見えるのは日本人故か。
他では、確信犯ではないか思わせた『鹿島アンターズ』には笑わせてもらった。ファッションとは見た目が命だから、これも有りなのだろう。革ジャンの背中に『ハンブルガーカウボーイズ』と刺繍がしてあるものも見たが、何かの団体なのだろうか。ドイツ人の若い女性が着ていたのだが、未だに謎だ。
このように、例を挙げたら限が無いほど、ファッション業界でもカタカナや日本語は氾濫しており、日本の文化力の凄さをあらためて認識させられる。しかし、当の日本人がカタカナ入りの服を着ないのは、やはり意味を分かっているからであろうか。ドイツ人がカタカナ入りの服を着る行為はお洒落と思っての事だろうが、日本人が着る行為は、悲しいかな、それは駄洒落になってしまう。