ジャパニーズクール

mensch2005-09-03

世界の音楽界は空前の日本ブームといえる。ジャパニーズクールと持て囃され今やブームと言うよりは定着しつつあり、アメリカの数々の有名歌手プロモーションビデオには、あらゆる日本がちりばめられている。日本に対する熱い眼差しはアメリカのみならず、ドイツとて同じだ。ドイツではグループ名に日本風の名前を付ける事も多い。○○サムライやニンジャ○○などの定番は今までも多かったが、それでもメジャーとしての知名度は低かった。しかし遂にドイツでも、日本風名グループがチャート上位に入り大人気を得た。それが若者の4人ロックグループ『Tokio Hotel』だ(ドイツでは本来は東京をTOKYOではなく、TOKIOと表現する)。彼らが出した曲『Durch Den Monsun』はしかしながら、プロモーションビデオも曲も一切日本風ではない。だからこそ、クールなのだ。素直に応援したい。


そして、もう一つのグループも紹介したい。『US5』こちらはアメリカの若者5人ポップスグループだ。彼らの曲『MARIA』はドイツでもヒットしている。どちらのグループも米独の若者グループとして、ドイツで同じようなファン層を掴んでいる。日本で例えるなら、ジャニーズグループか。
だが、その新曲『MARIA』は問題に思える。プロモーションビデオは昨今のジャパニーズクールの煽りを受け、日本の東京が映し出され日本の若い女性(日本のマリア?)が出てくる。 日本だけではなく、ニューヨーク、パリ、ロンドン、リオデジャネイロもその土地の女性とセットで出てくるが、矢張り日本観だけが無茶苦茶。東京以外の都市は今風の格好で都会的で洗練された風景を表現しているのだが、東京はお決まりのネオン街が映し出されている。
だが、ここまではブリトニーのプロモTOXICでも表現されていたからまだ良い。問題はこの先か。ビデオや個室等のネオンの後に、個室の布団?らしき上に女座りをして着物風の得体の知れない服を着ている女性が写る。これだけだと、何か怪しい風俗店にも思える。他の国が普通なだけに、日本だけがこのように異様な雰囲気を醸し出している。

たかが、若者音楽のプロモーションビデオに何を況やと言われればそれまでだが、こういった日本観は大局的にはプラスにはならない。日本の文化は間違いなく、正しく世界に伝わっていない。否、伝わっていないのではなく伝えていないだけなのだろう。


話は変わるが、番組改編が原因と思われるが、昨日から日本のマスコミ各社が急に「韓流が冷え込んだ」や「韓流バブル崩壊」や「反流」などと囃し立てている。
いやはや、日本のマスコミの寝返りの早さには敬服する。日本人もそろそろ、他国の魅力の無いものを無理強いして日本人に売り込む事よりも、海外へ正しい日本文化を売り込む努力をしたらどうか。その方が数百倍楽であり、利益も出る。


Tokio Hotel


US5