ドイツにおけるネイティブアメリカン

mensch2005-09-12

ドイツ人の自然好きはこれまで何度も述べてきたが、ドイツ人は自然と共生する他民族をも愛する。
ドイツ人はインディアナネイティブアメリカン)に心酔している。
英語と違いインド人とインディアンの綴りが異なっているとの理由もあるかもしれないが、ドイツでは差別的表現とされるインディアンを語源としたインディアナインディアナリンとの名称を使っている。


町の祭りでは、ネイティブアメリカンが北アメリカ特有の民族衣装を着て民族音楽を演奏しており、必ず人だかりとなる(何故か南アメリカのイメージである『コンドルは飛んでいく』が多い)。ドリームキャッチャーに代表されるネイティブアメリカンのグッズやアクセサリーを扱っている屋台も大盛況。テレビでも、特番やドラマや映画で数多くのネイティブアメリカンを扱っている。
更には、ドイツ各地にはネイティブアメリカンの生活を再現した野外展示場や体験施設が数多く存在する。


これらドイツ独特の現象は何故起こるのだろう。たぶん、彼らの遠い過去の記憶がネイティブアメリカンの生活と近似しているからではないだろうか。ネイティブアメリカン先住民族であり、民族大移動をしたゲルマン民族は移住民族との違いはあるが、両者とも自然を愛し自然と共生してきた点は同じ。そして、両者とも物質文明国であった欧州移民または、ローマ帝国との衝突により激しく抵抗した。これらの親近感に加え、ドイツでの昨今のアメリカ帝国主義への反感も影響を与えているのかもしれない。


ドイツのロックグループ『RAMMSTEIN』はヒット曲『AMERIKA』のプロモーションビデオ中でネイティブアメリカンに扮しアメリカを褒め殺ししている。日本人の判官びいきにも通じるかもしれないが、征服者であるカウボーイよりも被害者であるネイティブアメリカンに恋焦がれるドイツ人の精神は、素直に共感できる。


ネイティブアメリカンを扱っている北ドイツでの施設
Natureum Niederelbe

Karl-May-Spiele


余談だが、ドイツ人は欧州において無類のサムライ好きでもある。