混迷のドイツ政局

今回のドイツ総選挙の結果は、今のドイツの混迷を如実に表している。シュレーダー首相がメルケル氏を拒否しており、更にシュレーダー首相が勝利宣言をした今、SPDとCDUとの連立さえも難しくなってきている。だが、シュレーダー氏が首相の座を降りずに左派以外との連立政権(SPD+CDU)を樹立する事が大前提なのだ。メルケル氏とシュレーダー氏のカリスマ性の差は明確でもある。とは言っても現状では、左派連合もSPDもCDUも何れも政策が異なっており、連立工作は難航している。矢張り、やり直し選挙しか手はないのかもしれない。ドイツは東を吸収したが為に、旧東ドイツ共産党の流れを汲む残党勢力である左派連合の影響力も強い。弱者救済も結構だが、働かざるもの食うべからずもまた真でもある。これ以上の東側左派の発言力を高める行為は即、ドイツの競争力低下を齎すだけだ。ドイツの政治家は、東側左派勢力の一掃の為に一丸とならなければならない。SPDの前進は左派ではあるが、今はシュレーダー氏を筆頭に左派思想離れが進んでいる。SPDは今後も党内の左派一掃と国家の左派一掃を図る事だろう。この工作が成功するか否かによって、ドイツの将来も決まる。日本とドイツ、表向きは違うように見えてもその実、同じなのであろう。