真面目なマニアック

mensch2005-11-05

ドイツ人は真面目でもありマニアックでもある。それはドイツ人の興味の対象からも分かる。日本の邦画は最近ドイツでも多く見ることが出来るが、その多くがホラーや猟奇殺人ものばかりでもある。そして、今月はドイツのTV局ZDFでアジア官能映画特集が放送されている(4回の特集放送の内、3回は日本の特集だ)。昨今の日本では、大島渚も日活も余り聞かなくなったが、ドイツでは人気があるようだ。確かに彼の世界観はドイツ人には受けるだろう。先日の放送では大島渚の世界観を通しての日本取材が1時間放送された。そこにはアラーキー三島由紀夫や同人誌マンガ家とかなり個性的な面子も取り上げられている。その着眼点も鋭く素晴らしい。取材報道と共に『愛の亡霊』と『愛のコリーダ』を筆頭に官能を取り上げた日本の作品が放送される。公共の電波でも、この様な題材を真面目に取り上げるドイツは有る意味素晴らしい。対照的に、今の日本は言論統制されつつ有るのかも知れない。特定アジアの報道は規制され、過激な表現は隅に追いやられ、偽善と嘘だけが蔓延る報道しか出来なくなっている。こういったドイツの番組を見るにあたり、日本の番組が低俗に思えて仕方が無い。真面目な話題は茶化され、臭い物には蓋をする。それで、本当に正しい報道が出来るのであろうか。視聴者の要求に答えられるのであろうか。日本のTV番組は民衆を愚民化させるだけだが、ドイツの番組には何か訴えかけるものがある。心のこもっていないサービスは飽きられる。心のこもっていない言葉は伝わらない。それと同じように日本のTV番組も飽きられつつあるのかも知れない。


http://www.arte-tv.com/de/film/Erotisches_20Kino_20aus_20Asien/Programm/1007110,CmC=1007114.html
愛のコリーダ特集