ドイツの病

ドイツの不景気は底を知らず、失業率も上限を知らない。その点では、本格的に景気回復している日本とは大きな違いがある。更に安定多数与党による改革が進んでいる日本とは対照的に、ドイツの政局は少数与党という不安定さを拭いきれない。また、ドイツの産業は労働力では東欧諸国に敵わず、ハイテク産業でも日米に遅れをとっている。その様な諸条件が重なりドイツの産業は空洞化が進んでおり、今現在ドイツの失業率は12%弱、そして首都ベルリンでは15%、旧東ドイツの都市では場合によっては20%を超える事もある。これからワールドカップを控えていてもこの状態だ。底はまだまだ先だろう。
そんな不安定な情勢の中、隣国フランスでは若者の暴動により初の民間人死者が出た。ドイツはフランス程、治安は悪くないが、それでも今回の暴動はドイツの若者、特に東ドイツの若者に影響を与えているようだ。日本の若者はニートやパラサイトでも生きて行けるが、それは貧富の差が殆どない日本であるから可能でもあるのだ。ドイツの若者は親の恩恵を贅沢なまでに受ける者も存在すれば、親すらも社会の恩恵を受けらない家庭も多い。金の使い道が分からず、朝昼晩外食をする年金受給者の影で、若者達は満足に外食も出来ず欲しい車もバイクも買えない。
日本に次ぐ経済大国ドイツの病と比べるにあたり、日本が世界で一番平等で豊かな社会主義国家に思えて仕方がない。



http://news.aol.co.jp/story/news.date=20051107235906&company=40&genre=02&sub=004&article=00000000a317.html

【パリ7日共同】フランス全土に拡大した若者らの暴動で、警察当局は7日、殴られた男性1人が同日、死亡したことを明らかにした。10月下旬に暴動が始まって以来、死者が出たのは初めて。6日から7日にかけ、ドイツとベルギーでも車両放火が相次いだ。フランス警察当局は7日、計1408台の車両が6日夜から7日朝にかけて放火されたと発表、今回の暴動で最悪の被害となった。

 警察は一晩で395人を拘束、鎮圧などに当たった警官36人、消防士5人が負傷した。パリ南方エソンヌ県で6日夜、暴徒が警官に散弾銃のようなものを発砲したほか、全国各地で税務署、小学校などへの投石や放火が続発した。

 地元報道によると、死亡した男性は60歳。パリ北東のセーヌサンドニ県の自宅近くで4日、殴られて転倒し、意識不明の重体となっていた。                      (了)