冷凍寿司

mensch2005-11-10

ドイツでも寿司の人気はうなぎ登りだ。寿司バーや寿司屋が至る所に乱立し、アメリカと同じく健康的でハイソサエティーなイメージを確立しつつある。
そんな中、スーパーにも冷凍食品として寿司が広まりつつある。様々な会社が出しているが、大体が握り寿司5貫、海苔巻き5本で5EUR位(日本円で700円位)との相場だろうか。多少高価だが半調理品が好きなドイツ人にも人気だ。私も食べてみたが、流石に冷凍食品なだけあって米は粘りが無い。ネタは鮭が多く、鮭を生でも食べるドイツ人には違和感が無いのだろう。しかし電子レンジで暖める必然性の為か、少し時間を置かないと生暖かい寿司を味わう羽目になる。そしてワサビは保存性を高めるためか何なのかは不明だが、蛍光色の黄緑色をしており日本のワサビより数倍鼻に来る。ワサビの辛さを初体験するドイツ人には正直、嫌がらせとしか思えない辛さで、甘さで例えるならば砂糖とサッカリン位の差はありそうだ。そういった意味で、味は日本人の握る寿司の足元にも及ばないが、割り箸が付いていたり魚型のプラスティック容器に醤油が入っていたりと日本の寿司に極力似せようとしている努力は随所に見られる。
日本の食文化が日本人を介さなくても広まる事は誇らしいが、誤った味やイメージが広まる事は危惧するべきだろう。中には冷凍寿司を食べて寿司が嫌いになるドイツ人もいるのではないだろうか。寿司を冷凍にする発想は素晴らしいが、見切り発車的な販売も外国ならではだろう。