サンタクロースにおける反米感情

mensch2005-12-06



12月にもなると、いよいよドイツのクリスマスマルクトも活気を帯び始めてくる。それと同時に、様々なサンタクロースも現れてくる。ドイツでは、近年の反米感情からコカコーラ社の作り出した赤いサンタクロースに対する反発が生まれつつあり、緑色の服を纏ったサンタクロースが流行りつつある。サンタクロースの元祖は聖ニコラウスだが、ドイツでは12月6日にニコラウスを祝う。
ニコラウスは、紀元271年にトルコのデムレで生まれた。数々の伝説に包まれているが、多くの奇跡を起こし、民衆を救った事が語り継がれ、いつしか現在の形になった。ただ、ニコラウスだけの伝説だけでは、ここまで欧州には広まらなかった。それには古代ギリシャのクロノス、古代ローマのサトゥルヌスも影響を与えている。クリスマスが古代ローマの太陽復活祭であるローマ暦の冬至に相当するように、サンタクロースもこれら農耕神に相当する役目を持っている。この農耕神を祝う12月に、古代の一部欧州では贈り物を交換しあう風習を持っていた。
現在のサンタクロースは、農耕神とニコラウスの結合でもある。由来はどうあれ、私もドイツ人と同じく、緑色のサンタクロースの方が趣があって良いと今では思っている。