ドイツ人の謝罪

日本人の間では、欧米人は謝らない種族だといわれている(最も、日本人以外は謝らない民族が殆どだが)。だが、実際は幾分違っている。此処ドイツでも、同じだ。
では日常的に、日本人はどういった場面でドイツ人が謝らないと感じるのだろうか。それには、接客業が分かりやすい事例として上げられる。仮に、セール商品を店員が清算時に値引きしなかったとする。しかし、ドイツ人は謝らない。仮に自分の店が売ったものが不良品だったとする。それでも、ドイツ人は謝らない。だが、これらを持って短絡的に謝らない民族だと決定してはならない。
彼らは、自分自身が間違えた行為以外は謝る必要が無いと思っているだけだ。多くのドイツ人店員は、レジに値引き設定をしていなかった他従業員だけが悪い。または、不良品を作ったメーカーだけが悪いとの発想をする。ドイツ人店員は釣銭を良く間違える。または、注文されたものを忘れる。この場合は対照的にしっかりと謝る。
この様に、彼らの謝罪ポイントは日本人とは大きく違う。これらから日本人には連帯責任を持っている人が多いが、個人主義のドイツ人では殆どいない事が分かる。
日本企業の今も続く躍進、対照的に保守に回るしかないドイツ企業、その原因がこれら事例からも伺える。
謝罪一つを取っても、日本人の素晴らしさが伺えるが、国際政治に関してはこの思想がネックになっているのも否めない。日本人の謝罪の本質は、日本人にしか理解できない。商売的には先回り的な謝罪は効果があるが、政治の世界においては謝罪したものが悪であり負けだ。悲しむべき事に、多くの日本の政治家はこの事実に未だ気付いていない。