対中政策における日独協調

メルケル首相はアメリカとの関係修復を求め、中国との対峙を決断した。とは言っても、アメリカによるイラク侵略を認めるわけではないし中国と国交断絶する訳でもない。至極真っ当な外交戦略といえる。メルケル首相による今回の発言は日本が今後、ドイツと協調して行くにあたっての良い材料だ。これにより、日独関係は更に親密となる。外交面及び経済面における日独の利益や問題は一致する。EUで最大の経済力を持つドイツの路線変更は、今後のEUにおける対中対米政策にも大きく影響を与えると思われる。
中国は巨大なマーケットであり貿易相手国だが、それ以上に強大な覇権主義国家だ。中国を豊かにしても、投資をした国家に利益としては返ってこない。短期的には利益を得るだろうが、長期的に見て返ってくるのは損失だけだ。フォルクスワーゲンは中国で賄賂を学び、東南アジアでも同様な行いをして痛い返り討ちを浴びた。ドイツ政府は、シーメンスから中国への技術流出に対し緊急処置をすべき時期にも来ている。


そして、今後のドイツはロシアとの関係も中国と同程度にすべきだろう。昨今の中国による残虐非道な非人道的行いや国際法を無視した行いは、ドイツにも知れ渡りつつある。しかし、ドイツ人は、ロシアの行いに対しては目を瞑っていないだろうか。ロシアによるチェチェンでの悪行を忘れてはいないだろうか。ベルリン陥落時での残虐非道なソビエト兵の悪行を忘れてはいないだろうか。ナチスに責任転嫁させたカチンの森事件を忘れてはいないだろうか。
メルケル首相は東ドイツ出身だ。お花畑の西ドイツ左翼出身者よりも、ロシアや共産政権の恐ろしさを肌身で感じている。彼女がロシアに反旗を翻すのも時間の問題か。
先の大戦で賠償を全く行っていないドイツと、捏造までにも賠償を行っている日本。小泉首相メルケル首相を見習って中国に対し、彼らの悪や偽りの発言に対し堂々と反論出来る様になってもらいたい。彼なら出来るはずだ。何れにせよ、日本にとって良い風が吹いているのは間違いない。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060114-00000052-kyodo-int

【ワシントン13日共同】ドイツのメルケル首相は13日にブッシュ米大統領と初会談した後の共同記者会見で、イラク戦争をめぐり対立した両国は「新たな一章に入る」と関係修復を宣言。大統領も「良好な関係が築けると確信する」と応じた。
 イラク戦争に反対したシュレーダー前首相に代わり、昨年11月に就任したメルケル首相の第一印象について、大統領は「信じられないほど好感を持った」と語り、「賢くて能力にあふれ、気迫がある」とべた褒め。
 旧東ドイツで育った首相に大きな関心を示し「(東ドイツという)圧政国家と自由社会の違いを知る人と話すと気分が高揚する」と述べた。
 一方、メルケル首相は、米国との関係について「テロとの戦いだけではなく(幅広い)共通利益に基づくべきだ」と指摘。「われわれにはルールに従わない中国のような競争相手がいる」と話し、中国への対応で連携を呼び掛けた。
共同通信) - 1月14日


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060115-00000749-reu-int

カトマンズ 14日 ロイター] ネパールの首都カトマンズ近くで14日、反政府組織のネパール共産党毛沢東主義派とみられる武装勢力が警察署などを含む5カ所で爆弾攻撃を行い、少なくとも警官12人が死亡、8人が負傷した。警察当局などが明らかにした。
 この攻撃を受け、カトマンズでは警戒態勢が強化されている。
 毛派が1月2日に停戦を打ち切るとの声明を発表して以後、首都近辺での攻撃は初めて。
(ロイター) - 1月15日


中国が国力を持つことは、この様な前時代的で非道な勢力が力を持つとの事に直結する。
日本や他の先進国は、この現実をもっと知るべきだろう。