米中覇権戦争の行方

米英による対イスラム戦線は、留まるところを知らない。先のイラク侵攻でブッシュ大統領が現代の十字軍と表現するにあたり、どうしてもキリスト教イスラム教の図式を考えてしまう。これにより、イスラムの標的がキリスト教国家全体にまで及び、結果としてアメリカの真意は上手い具合に有耶無耶にされた。
中東は豊富な地下資源を含んでおり、石油資本をバックに持っているブッシュが石油埋蔵量世界第二位のイラクを見逃す筈も無かった。そして次ぎの標的のイランは世界第三位の石油埋蔵量で、天然ガス埋蔵量も旧ソ連に次いで世界第二位となっている。米英は実際には存在しなかった核関連施設破壊を口実にイラクを侵略した。そして今回も核関連施設の破壊を目的にイランに攻め込もうとしている。これはどう考えても道理が通らない。では、核施設を設けることが問題ならば、北朝鮮パキスタンは何故、見逃されているのか。対イスラムであるならば、パキスタンは何故見逃されるのか。このような安直な動機が罷り通って良いのだろうか。これらからも分かるように、アメリカは人権において少しばかり中国よりマシだが、中国と同様に強大な覇権主義国家といえる。中国とアメリカ、今後、両覇権主義国家が衝突する危険性は大いに有りうる。
これら世界情勢を鑑みるにあたってキーパーソンとして、イスラム及び日本が浮かび上がってくる。これらが米中のどちらに靡くかによって世界情勢が大きく変わってきそうだ。
この点において将来、中国は日本・イスラム・米国を敵に回す可能性が大きい。その様相は正しく四面楚歌だ(南北朝鮮は、中国に味方しそうだが・・・)。日本や米国が中国と対立するとの構図は今の世界情勢から容易に読み取れる。そして、今は表面化していないがイスラムが中国を敵対視するのも時間の問題に思える。人権弾圧が激しいとの理由でアフリカ諸国への投資を欧米諸国が控えている中、中国は日本から得たODAを人権弾圧が今も続くスーダンアンゴラジンバブエ等のアフリカ諸国に与え親中派を育てている。だが幸いな事に、中東イスラム諸国には既に米国の力が及んでいる事もあり、親中派を育てられない。
中国では今も、ウイグル回族漢民族から差別を受け弾圧されている(回族中央アジアイスラム教徒で中国内に人口約860万人を有し、その殆どが寧夏回族自治区に居住している。) (ウイグルは中国により侵略された東トルキスタン共和国のトルコ系民族でイスラム教を信仰している。)。
彼らへの文化大革命以後の厳しい宗教弾圧は言うに及ばず、民族間の蟠りも未だ拭えていない。2004年11月に中国河南省中牟県で多数の死傷者を出した漢民族回族の流血衝突は、記憶に新しい。ウイグルへの中国当局による今も続く血塗られた民族浄化作戦も忘れてはならない。今後、中国当局の力が弱まればイスラム教徒がこの事実に気付くのも時間の問題だ(中国当局の力が弱まれば言論弾圧が出来なくなるし、強くなれば更に激しい人権弾圧が続く。何れにせよ、この様な悪は見逃されてはならないし、悪行を続ける事も不可能だろう。)。
では、日本はどうすれば良いのだろうか。答えは簡単だ。日本には、過去に果たせなかった大東亜共栄圏思想がある。それは米中の覇権主義とは違う真の共栄共存思想だった。日本復権の最終目標は、そこにある。日本国が敵対関係にないイスラムと協調し、崩壊後の中国と協調すれば、米国も日本に敵対する事を得策とは考えないだろう。その構図は最早、大東亜ならず大世界共栄圏と言えるのかもしれない。無論、平和裏に行うとの事は言うまでもない。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060212-00000050-kyodo-int
米がイラン核施設攻撃準備 空爆中心、具体計画と英紙

 【ロンドン12日共同】12日付英紙サンデー・テレグラフは、米国がイランの核兵器保有を防ぐため、同国の核関連施設への軍事攻撃に向けて準備を進めていると報じた。外交交渉が失敗した場合に備えた“最後の手段”として、国防総省空爆を中心とした具体的な計画を立案しているという。
 同紙によると、国防総省の専門家が攻撃対象や使用兵器、後方支援作戦などを検討中で、ラムズフェルド国防長官にも報告された。同省高官は「この数カ月間、非常な緊急性を持って準備が進んだ」と指摘した。
 最も考えられる戦略の1つは、地下施設破壊を目的とした特殊貫通弾(バンカーバスター)も搭載するB2ステルス爆撃機による攻撃。空中給油機とともに米ミズーリ州の基地を出発した爆撃機がイラン上空を目指す。
共同通信) - 2月12日


石油・天然ガスの生産量と埋蔵量