自動販売機に鑑みる日本の特殊性

Getränkeautomaten


日本の治安の高さ・先進性・気配りは自動販売機にも凝縮されている。
それはドイツを比較対象に上げても良く分かる。ドイツは世界各国や他欧州と比べても稀に見る治安の高い国家だが、それも日本と比べると途端に色あせる。


ドイツにおいても、自動販売機は数多の国家と同じく破壊と強奪の標的とされ基本的に自動販売機と呼ばれるものは街角には無く、施設内でしか存在しない。
また、施設内に有っても、壊されたままの自動販売機が数多く存在する。故に自動販売機は施設内であっても堅牢になる。駅ホームの自動販売機はガラス面に鎖帷子を纏い、その装いは治安状況を無言の内に物語っている。
日本において外国人が驚く事象の一つとして、人気の無い場所に存在する自動販売機が挙げられるが、田舎にある農作物の無人販売所等も、外国人の想像を絶するものがある。
昨今、日本国内でも中国人や朝鮮人等の外国人犯罪が急増しているが、治安が良いとされるドイツと比べても、日本は世界最高と言ってよい程の治安の高い国家だ。


無人の路上でも安全に自動販売機を設置できる日本であるから、その先進性も世界一といえる。音声案内や液晶ディスプレー表示、当たりくじ、豊富な商品、深夜でも光り輝く存在は日本人には当たり前に思えるが、外国人には日本が誇るハイテクの象徴に見える。


気配りにおいても日本の自動販売機は優れている。ドイツでは冷たい飲み物と雖も常温との場合が多い。ましてやホットの缶物は皆無に近い。
またドイツの自動販売機は基本的に高価な紙幣や小銭は受け付けない。20EUR(約3200円)札以上の紙幣を持っていた場合は、近くの店にでも行き、何かを買わなければならない(強盗対策と面倒な為、両替を受け付ける店は殆ど無い)。小銭も10セント(約16円)以下は通常は受付不可能だ。日本のセルフサービス・ガソリンスタンド等で、一万円から1円玉さえも受け入れる現状と比べるに当たり隔世の感がある。
ドイツの自動販売機は紙幣の読み込みも甚だ鈍く、鉄道の切符自動販売機を例に出すと、挿入面や方向が決まっており挿入面積は大きくても、挿入面の左端に紙幣を寄せて入れないと読み込みが出来ない有様だ。
そして、極めつけは釣銭。ドイツの切符自動販売機には釣銭用の紙幣が無い。故に20EUR紙幣を入れた場合、メダルゲーム機のように大量のコインが切符と一緒に出てくる。


ドイツの切手自動販売機に至っては、つり銭さえも出ない。切手を購入して端数が出た場合は端数分の切手がつり銭代わりに出る。


これら事象は日本人には信じられないことだが、ドイツ人はそれで当たり前と思っている。
そして、当の日本人も至れり尽くせりの日本の自動販売機に対し何の感慨も抱いていない。


たかが自動販売機だが、その自動販売機からも日本の素晴らしさや底力を感じ取れる。
日本には、日本人の知らない誇るべきものが、まだまだ無限に在る。


Fotos von der KN-Leserreise nach Japan