ドイツにおけるチベット報道

AFP


日本のマスコミによる歪曲した中国報道は今に始まったわけではないが、中国共産党の意向に沿った状態で、まともな報道が出来るとも思えない。現状では、中国共産党の方針・漢民族の思想が、中国報道では如何なく発揮されており、“中国は偉大であり中国に盾突く者は野蛮で軍国主義者である”との印象しか植え付けていない。これは、ドイツと日本における中国に対する報道を比較するにあたり、明確に分かる。ドイツでは、中国に対する歪んだ気遣いなど皆無だ。チベット問題はもとより、台湾問題も平行して真摯に取り扱っている。
先だって、ダライ・ラマ法王とメルケル首相が首都ベルリンの首相官邸で対談したが、果たして日本政府に真似できるだろうか。ダライ・ラマ法王のみならず、親日派李登輝・前台湾総統へのビザ発行まで渋る日本であるから然もありなん。
ダライ・ラマは過去に10数回訪日しているが、政治家との会談も中国への配慮から制限され、マスコミもドイツとは対照的に大々的に取り扱っていない。
李登輝・前台湾総統と同じくダライ・ラマもまた、1978年の日本で園田外相によりビザを発行しないとの外相談話を発表された経緯もある。
中朝韓以外のアジア諸国より今もアジア開放の雄として尊敬を集めている日本だが、数多の親日国家を足蹴にし、特定の反日国家に跪く姿は何とも恥ずかしい。


昨今、日本でも中国脅威論、中国の横暴を扱った書籍が店頭でも並ぶようになったが、ドイツも同様だ。更にドイツでは、チベットダライ・ラマ関連の書籍が売れ筋コーナーに所狭しと並んでいる。
それ故か、ドイツではダライ・ラマが同国出身の現ローマ法王ベネディクト16世よりも人気がある。
雑誌“シュピーゲル”の7月アンケートでは、44%のドイツ人がダライ・ラマを手本とするべきと回答したのに対し、ベネディクト16世を手本とすべきとの回答は42%とダライ・ラマに及ばなかった。
今回のダライ・ラマ訪独も、ドイツの報道機関に大々的に取り扱われ、中国共産党による残酷な弾圧はドイツ国民に広く知れ渡る事となった。
今後のドイツ政府は、チベット・台湾問題だけではなく、ウイグル問題・イスラム弾圧問題も更に追求すべきだろう。
日本の無能外務省を尻目に中国による懐柔工作も盛んだが、ドイツでは官民マスコミ全てにおいて反中(中国共産党)思考か広まりつつある。
対照的に、弱みばかりの中国にもの申さない日本政府は、お人よしを超えて中国の一部といっても過言ではない。


ドイツでは映画『セブンイヤーズ イン チベット』だけではなく、映画『クンドゥン』も話題となった。
1999年のアメリカ映画だが、ダライ・ラマの半生を元に、中国当局の過酷な宗教弾圧及びチベット弾圧を描いている。
日本では話題にすらならなかったが、セブンイヤーズインチベットよりもリアルで良質な映画だ。悲しいことに、日本のマスコミは公にしたくなかったようだ。韓流を煽りながら、こういった映画を足蹴にする日本のマスコミもまた、中国の一部なのだろう。


クンドゥン【字幕版】 [VHS]

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Auf dem Boden der Tatsachen