戦時国際法違反

再建中の聖母教会(現在は完成)



戦時国際法違反。響きは重いが、勝てば無罪放免だ。負ければ、例え戦勝国の10分の1の犯罪行為でも100倍にされて裁かれる。
歴史認識における米国の犬、左翼沖縄戦における米軍の悪行を知ってか知らずか、故郷を離れ沖縄の地で奮戦し死んでいった日本軍兵士を愚弄する。
戦勝国戦争犯罪、敗戦国の戦争犯罪に、情状酌量の余地はあるのだろうか。


代表的な問題提起として、都市空爆が挙げられる。
第一次世界大戦時のドイツ飛行艇ツェッペリン号によるイギリス空爆に始まったと言われるが、その戦法は大戦後、イタリアの陸軍少将ドゥエによって戦略として体系付けられ世界に広まった。彼による戦略爆撃絶対論は敵国家の中枢を空から直に攻撃して敵国民の戦意及び生産能力を無力化させるというものだった。しかしながら彼の理論は、激しい都市空爆を受けながらも生産能力を維持し、首都ベルリン陥落まで降伏しなかったナチス・ドイツにより破綻した。最終的に、核兵器を使わなければ意味が無いことが証明された(最も広島・長崎の原爆が終戦の決定打とは言い切れないが)。


1937年のスペイン内戦時におけるドイツ援軍(ドイツはフランコ支援)によるゲルニカ空爆が、本格的な戦略爆撃といわれているが、死者は凡そ1600人と言われる。
内戦当時、スペインの実権を握ったフランコ将軍側は、「ゲルニカ壊滅は人民軍側が町を去る際に焦土化させた」と喧伝していたが、同公式見解はフランコが死去するまで続いた。
日本軍は1939年から中国・国民政府の臨時首都となった重慶空爆した。民間施設を攻撃目標にする事は無かったが、霧の重慶と呼ばれていた市街での空爆は標的たる軍事施設の特定が出来なかった。故に被害は民間まで及び、死者は1943年最後の空爆まで一万人前後に及んだという。


ゲルニカ空爆はゲリラの壊滅が目的であり、欧州赤化を防ぐ意味もあり、重慶空爆も戦争早期終結への願い、蒋介石独裁政権打倒の願いが有ったが、本来の目的では無かったとしても民間人を巻き込んだ時点で、許されるものではない。


だが、裁かれるべきは日独だけだろうか。
民間人を巻き込んだとの意味では、毛沢東の様に山中に逃げず、重慶のような大都市に逃げこんだ蒋介石にも、民間人に紛れ込み区別不能にさせたスペイン人民戦線側にも非はあるだろう。つまり、戦場を町中に誘いこんだ側にも責任がある。


更には、日独の行為が如何なる要因や言い訳があろうとも許されないのであれば、連合国側の行為も同じく許されないとの結論になる。


対比されるべく、第二次世界大戦時の日独も連合国側から激しい戦略爆撃を受けた。日本側の空爆による死者は広島・長崎原爆による死者21万人を除いても死者50万人超、被害都市数は150を超え、実際には京都も空爆を受けてる。また、京都は最終的に原爆を落とす候補地にされた事実があり、アメリカはドゥエの理論を寸分違わず実践していた。


ドイツは更に凄まじい被害を受けた。3万人の死者を出したドレスデン大空襲は東ドイツ時代の米英絶対悪プロパガンダとして喧伝されたが故に世界に広まっているが、同様な惨状はドレスデンだけではない。ドイツ国内3万人以上の都市が対象となり、10万人以上の都市は全て米英の空爆によって壊滅された。現代美しい町並みを保っているドイツの諸都市は、全て大戦前の景観に似せて作り直されたものだ。
無差別都市空爆によるドイツ側の民間人死者は実に60万人超。ドイツ軍によるイギリスへの空爆による死者が6万人とされるが、実に10倍もの被害をドイツは出している。ドレスデン空襲こそ有名になっているが、実際には氷山の一角に過ぎない。米英は中枢以外の都市空爆、更には夜間空爆という非人道的な殺戮を行ったのだ。


以上の経緯から、日独よりも米英による戦略爆撃の被害が大きかった為、東京裁判では取り上げられなかった。米英にとっては、都合の悪い事実だったからだ。
私は、日本やドイツが絶対に正しいとは言わない。米英が絶対に悪いとも言わない。しかしながら、罪の重さに差があるのも確かだ。単純に死傷者数を持ち出しても、米英の罪は遥かに重い。戦争には、どんな国家にも無罪が無い。人を殺めるのだから当たり前だ。だが、少なくとも東京裁判戦略爆撃を持ち出さなかった時点で、日本の罪は皆無に近い(南京事件の嘘は立証されつつある)。


矛盾は、空爆だけではない。戦争を日本に仕掛けた米中、支配下のドイツ民族を不当に扱った戦前のソビエト。彼らに罪は無いのだろうか。
中国による通州事件に代表されるたび重なる在留邦人陵辱虐殺事件。アメリカ軍によるサイパンでの在留邦人陵辱虐殺、沖縄での民間人虐殺。ソビエト軍による満州及びドイツ侵略時での残虐非道極まる民間人への陵辱虐殺。これらは戦時国際法違反ではないのか。


戦勝国戦勝国のコバンザメ国家の悪行も公平に裁かれない限り、戦争も無くならない。


日本の空襲 全10巻 復刻版


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映画『南京の真実』


だが、結論は一つ。最大なる罪は無知だ!