中国報道における日独の温度差

幼いチベット人も弾圧されています。



日本における中国報道を見ていると、中国への過剰な配慮を感じて仕方が無い。
そんな事があるのか?と思われる方も多いだろうが、諸外国における中国報道と比較するにあたり、やはり『ある』と結論付ける他ない。
それは、日本とドイツを比較してみても明らかだ。
一般ドイツ人の現代中国に対する認知度は、一般日本人よりも遥かに高い。中国脅威論は同じだが、こと人権問題に関しては日本の一般市民の認識など、恥ずかしくてドイツ人には伝えられない。
ディスコと女性にしか興味が無いようなドイツの若者に、中国について何を知っているかと聞けば、チベット問題・台湾問題・大量の死刑問題・言論統制(何故か、食品問題やウイグル問題は出てこない)を出しながら、中国は“Scheisse(クソ)”だと謗る。極左でも極右でも差別主義者でもなく、普段は政治に全く興味がなさそうなこういった若者でも、現代中国に対するイメージは日本の若者よりも遥かに悪い。
ドイツ人は純粋に正義感が強く、差別や格差を許さない国民性を有している。裕福なユダヤ人を憎んだナチス時代もそうだが、最近ではロストックでの先進国首脳サミットにおけるデモ隊と警察の小競り合いも、アングロサクソン的弱肉強食社会に対するドイツ人の動的怒りを表している。


確かに日本は、インターネット上でドイツ以上に中国の人権問題を的確かつ論理的に糾弾しているが、インターネットという大海原の中では、所詮は自身が興味を持たなければ知る由もない。故に、一般市民における情報媒介はテレビか有名新聞しかないのは両国とも同じだ。日独の差は、こういった既存メディアに負う部分が大きい。
前年、日独両国にダライ・ラマが表敬訪問したが、ドイツは首相官邸に招いてまでの厚遇で、マスコミも一国の王が来たかのような報道だった。対照的に、日本は来日事実すら殆ど報道しなかった。


日本政府外交及びマスコミは、どの程度のレベルだろうか。
以下、勝手ながら評価してみたい。



1=非常に悪い
2=悪い
3=普通
4=良い
5=非常に良い


○対米
日本のマスコミは合格点か。ドイツのマスコミもアメリカの帝国主義覇権主義に異を唱えている。この点ではドイツも日本も歩調を同じくしている。
だが、日本政府はどうか。世界第二位の経済大国で米国に次ぐ国連分担金を払いながら、米国へ何も進言しない。
対照的にドイツ政府は、イラク問題では毅然とした反対意思表明をアメリカに示し、アフガン問題でもタリバン殲滅を目論むアメリカに異を唱え、復興活動に勤しんでいる。


○対中
ドイツにおいては先ほど述べたが、残念ながら日本はマスコミも政府も落第点だ。それは、今回の冷凍ギョーザ事件だけではなく、靖国神社参拝者への中国人による暴行事件や、中国人が警察官を駅ホームから突き落とした事件も有耶無耶にされている事実からも分かる。


○対露
マスコミはそれなりに報道しているが、極端に関心が薄い。日本政府は北方領土問題だけではなく、今回のロシア軍機による領空侵犯でもそうだが、スクランブル発進後の外交として断固とした処置をとらない。ロシアは日本を仮想敵国にしているとの事実を、忘れているのだろうか。福田首相はサミットで北方領土問題を取り上げたいと述べたが、今後の交渉によっては評価が変わってくるだろう。
ロシアの非民主制・プーチン政権の政敵暗殺疑惑は、日本よりもドイツが詳しく報道している。それとは対照的に、ドイツ政府は資源問題もありロシア懐柔に向かっている。


※<領空侵犯>ロシア側は否定 2月9日18時23分配信 毎日新聞


○対北朝鮮
手の平を返したようなマスコミによる北朝鮮非難は、日和見的な偽善心を垣間見るようで頂けないが、過去と比べれば合格点か。
福田内閣になって手は緩められたが、日本政府はテロの温床である朝鮮総連に対し強い態度で出ている。福田内閣に限っては落第点だったろうが、前内閣の残した遺産により辛うじて合格点にした。
北朝鮮報道においてのドイツは、各国協議は報道するが日本ほどではない。拉致問題も無く、距離的にも離れているからか。ドイツ政府としては、北朝鮮核実験でのシュタインマイヤー外務大臣による強い非難発言からも分かるように、一貫して強固路線。しかしながら、遠く小さい国故に、ドイツ政府の反応は熱しやすく冷めやすい。


○対韓国
マスコミも日本政府も同国への無関心から国内事情、反日的な対日政策や歴史修正捏造行為に疎い。竹島問題や歴史問題では、双方とも韓国に対する手立てを全く持っていない。更には、民潭には朝鮮総連から籍を移しただけのテロ分子が蔓延っている。
ドイツも同じく韓国への関心自体が少ないため、報道されることは殆ど無い。


○対歴史問題
南京事件731部隊従軍慰安婦・強制連行・沖縄集団自決等の数々の虚構は何度も述べているが、これら偽りの歴史認識は対近隣諸国問題と同じく早急に解決する必要がある。マスコミや日本政府だけではなく“歴史問題における米国の犬・左翼”も事の重要性にどれだけ気付いているのか。
対歴史問題は、前述された諸国、即ち大東亜戦争における戦勝国とそのコバンザメ国家との外交問題に通じる。



対米報道では、私の言いたい事は既にマスコミが代弁してくれている。だが、歴史問題ではどうだろうか。イラク侵略はアメリカの正義が虚構に過ぎない事を示した。同じように日本も、歴史観アメリカの偽りの正義によって蹂躙されている。本当に日本軍は残虐だったのか?真に残虐な軍隊はアメリカ軍やソビエト軍や中国軍ではなかったのか。
以上からも、現代アメリカの覇権主義は許されざるものだが、仮にも民主主義国家であり日本の同盟国だ。それ以外の近隣諸国、中国・ロシア・北朝鮮は何れも独裁国家であり、これに言論弾圧国家の韓国を含め、何れも日本を仮想敵国に指定している。どの国家を問題視するべきかは自明の理だ。


その中でも私が何故、対中報道や対中外交に拘るのか。それは、偏にドイツの対中報道や対中外交との温度差に他ならない。


国家間の外交及び報道と、個人的友好や民間交流は別物だ。
こういった話題になると、「貴殿は中国人(米国人)の友人はいるのか?」と言われる御仁が出てくるだろうが、いたらどうなのだろうか。実際にいるが、そんな事は問題ではない。
個人の友好と国家の友好を同列に語る人間は、世界情勢や国内事情を全く理解していない。
では、台湾人と友人であれば、そういった御仁は中国と断交して国交回復するべきだと説くのだろうか。アフリカの人権弾圧国家から来た難民が友人になったら、その国家と友好関係を築くべきなのだろうか。
逆に考えて、ある人が嫌いだから、その人物の出身国も嫌いだ、断交だとの発想をどう思うだろうか?途轍もなく矮小な心に思えるだろう。


本当の友好とは何か、全ての人間が気付かない限り、紛争も惨禍も消えない。


これらを黙認しての友好は、中国共産党の残虐非道行為に加担しているも同じだ。
貴殿の中国との無条件な友好が、少数民族共産党に異を唱える人々を殺す糧となっている。


※ドイツの対チベット基金


チベット問題や台湾問題を真摯に報道するドイツメディア群

※ZDF-Autor Steffen Bayer interviewt Dalai Lama Zur Dokumentation "Tibet - Reise durch ein verbotenes Land"


※Keine Besserung der Lage in Tibet - ICT besorgt über drohende Instrumentalisierung der Olympischen Spiele 2008


※Taiwan gehört nicht zum Territorium der Volksrepublik China


※チャイナリスクの真実

[rakuten:book:11998283:detail]


※ドイツにおけるチベット報道−当日記内