ロシアと中国、そして日本

NASCH



今更ながら、ロシアと中国は似通っている。簡単ながら、分かりやすく例を挙げてみたい。
両国と如何に対等以上の外交関係を築くかは、日本の将来に大きく影響する。


※ 周辺諸国への侵略国家
両国共に、周辺諸国を侵略し巨大化した帝国主義国家で、ロシア(ソビエト)はシベリア及び中央アジアを侵略し多くの民族を虐殺、強制移住させた。中国は征服王朝である清朝時代から続く周辺諸国の併合、更には共産党政権による支配下民族への虐殺弾圧が今も続いている。
チェチェン問題やチベット問題は、氷山の一角に過ぎない。


※ 火事場泥棒国家
第二次世界大戦末期、ソビエトは日ソ中立条約を破り対日参戦した。その結果、満州での大量虐殺が起こり、樺太及び千島列島を不法占領した。
中国は戦勝国ではないにも関らず、化外の地である満州を占領し、中立国家であるチベットを侵略、東トルキスタン共和国をも侵攻し自治区化させた。日本の敗戦後、内モンゴルには自治政府が成立したが、同じく中国は占領し自治区化した。


※ 独裁政権
表向き、ロシアは大統領制度で中国は共産党政権だが、実際にはロシアはプーチン院政独裁政権、中国は漢民族一党独裁政権といえる。異国人が考案した共産主義を曲解し利用しており、太古から続く皇帝と農奴という二極構造から抜け出せていない。


※ 政治汚職
NPO団体“トランス ペアレンシー・インターナショナル”によると2007年の賄賂指数では、中国が最下位。ロシアはその次だった。


※ 言論弾圧
プーチンは、政敵はもとより反プーチン的な報道陣も暗殺している。中国は餃子事件やチベット大虐殺事件でも明るみになったが、報道統制が凄まじい。


※ 軍事大国
ロシアは世界第二位、中国は第三位の軍事費で、今も右肩上がりに軍備が増強されている。ロシアは今年、17年ぶりに盛大な軍事パレードを行った。日本は第五位。


※ 極右主義
ロシアではネオナチが共産主義に代わって勢力を伸ばしつつあり、その数は6万人を超え世界のネオナチ団体の4分の1以上を占める。
プーチン青年団体“NASCH(我々)”を創設し、愛国心プーチン信奉を国民に植え付けている。
チベット大虐殺事件だけではなく、日本での聖火リレーでも明るみに出たが、日本人を押しのけ、巨大な五星紅旗だけを靡かせた中国人達は中国政府による動員だった。
言いがかりに近い反仏運動や反日運動等の排外暴動は、彼等の偏狭な極右思想を白日の下に晒した。


※ 常任理事国
至上稀に見る非道国家にも関らず、両国ともに国際社会で糾弾される事が殆ど無い。これには第二次世界大戦後から続く勝者の歴史、常任理事国の威光があげられる。


※ 核兵器保有
1994年の中ロ首脳共同声明で、互いに核弾頭を向けないと約束したが、日本へは両国とも照準を向けたままだ。


※ 豊富な天然資源
ロシアは世界第二位、中国は第三位の地下資源埋蔵量を誇る。


※ トップクラスの外貨準備高保有
中国は第一位、ロシアは第三位、日本は第二位。


※ モンゴルとの関係
歴史上、両国ともモンゴルに支配されており、今現在も国境を接している。過去の経験もあり、両国ともモンゴルに対し触らぬ神の外交を取っている。にもかかわらず、両国共にモンゴル領土を割譲している。


今、ロシアと中国は手を取り合って日本を敵対視している。前述の中ロ首脳共同声明だけではなく、両国は上海協力機構を提携し、2005年には共同で軍事演習も行っている。お人よしで私益しか考えない日本外務省や日本の政治家が、このような国家に太刀打ちできるわけが無い。
人間社会でも同じだが、力で相手を屈しようとする人物には、力で対抗しない限り陵辱させられるだけだ。だが、例え力が無くても対抗できる術がある。それこそ、国民の資質に関る問題だ。


中露の動向を鑑みると、モンゴルの動向が際立ってくる。モンゴルの存在は非道な大国に囲まれながらも生き残る術を暗示している。
嘗て、ユーラシア大陸の殆どを手中に収め史上空前絶後の世界帝国を築いたモンゴルだが、今は人口200万人超の資源も産業も無い弱小国家になっており、多くのモンゴル人はロシアや中国に割譲された土地に住んでいる。それでも何故、モンゴルは国家として生き延びることが出来たのか。それは民族としての誇りや威光ではないだろうか。対照的に、国家を存続できなかった民族は数多い。平和主義のチベットが挙げられるが、中でも満州民族は記憶に新しい。満州民族は漢化され民族性を失ってしまい今では母語すら忘れてしまった。
モンゴルは中露の緩衝国として存続してきたと説く輩がいるが、であれば中央アジア諸国や満州は何故、消滅したのか。数多の消滅した緩衝国を挙げてみると結局は結果論、コジツケに過ぎないと分かってくる。
ユダヤ人は何故、国を失っても滅びないのか。それは韓国も同じだろう。日本と中国という大国に挟まれながらも生き残るには、自らの民族性を協調するしかない。韓国の過激な愛国心、歴史や起源の捏造は許されざる問題だが、彼等にはそうする他、国家を存続させる方法がない。韓国は、民族性を強調しなかった結果がどうなったのか過去の歴史を通じで良く勉強している。
日本の能天気なリベラリストは今一度、自身のアイディンティティを考えるべきだろう。日本人が宗主国の本国人に同化できるのは精精、中国や韓国位だろう。日本人がロシア人やアメリカ人に同化出来る術は無い。ロシアやアメリカに併合されアジア人種として二等国民の苦艱を味わうか、中国や北朝鮮・韓国に併合され中華的差別思想に身を落とし世界から嘲笑を買うか。リベラリストはどちらを取るのだろうか。
私はどちらも受け入れられない。私は、誇り高く日本国民として生きたい。それが日本存続の糧なのだから。
では、日本人に残されたものはモンゴル人や韓国人(韓国人に限っては捏造ばかりだが)と同じように民族としての誇りだけなのだろうか。それは違う。


日本には国民としての誇りである歴史や文化だけではなく、世界第二位の海軍力と屈指の軍事力がある。第二位の経済力がある。世界最先端の技術がある。質が高く勤勉で和を尊ぶ国民は、世界屈指の社会主義国家を完成させた。日本は断じて弱小国家ではない。日本は世界最強の大国でもあり、世界最高の人道国家だ。


日本は、無法者国家に対しても堂々と異を唱えられる国力と資格を有している。だのに何故、何も出来ないのか。確かに、抑止力として最大の力を発揮する核兵器を所有していない。しかし、それ以前に、大局観を持った政治家が政権を握っていないのが最大の原因だ。


総理・福田の能無し外交は今に始まったわけではないが、弊害が極限を超えつつある。強い日本を捨て、弱い日本を前面に打ち出した結果は何を生んだのか。
日本が中国に異を唱えなくなり媚中になれば、台湾も親中になるしかない。台湾国民は馬鹿ではない。その焦りが、中国大陸出身の反日家・馬英九を総統にさせた。
更には、対米外交戦術においても日本は北朝鮮に負けた。日本は大国でありながら、外交戦術において核兵器を持った無法国家にも劣る。
従米派も、対北朝鮮政策での米国の裏切りで少しは目が覚めたのだろうか。世界は道義と誠意が通じない国家ばかりだ。この期に及んでも日本人は日本が侵略された時、アメリカ人が血を流してまで自分を守ってくれると本気で思っているのだろうか。


脳味噌は重要だが、国家の脳味噌を変えるのは人間と違い意外と簡単かもしれない。
今は、過去の日記通りに世界が進まないことを祈るのみだ。


当日記内=未来予想としての中国帝国主義


【正論】ノンフィクション作家・上坂冬子 漁船隠蔽また無視された外務省


強い外交政策は、偏狭なナショナリズム国益の為ではない。自身や子孫の生き残りを賭した重要な問題だ。年金問題・消費税問題・格差社会少子化など、取るに足らない問題に過ぎない。