武士道と死生観
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四川大地震における日本救援隊による死者への扱いは、想像以上の感銘を中国民衆に与えている。
霊安室での「特殊訓練」はやり過ぎ、「日本を見習え」の声も―重慶市 2009年1月19日12時25分配信 レコードチャイナ
2009年1月18日､重慶市の特殊勤務隊が地元の遺体安置所で､隠されたﾄﾗﾝﾌﾟｶｰﾄﾞを捜すという｢特殊訓練｣を行い､批判を受けている｡中国紙･東方早報への読者からの投稿で明らかになった｡
投稿したのは上海在住の弁護士｡17日付｢重慶晩報｣でこの事実を知ったという｡投稿によれば､重慶の｢特殊勤務隊（特勤隊）｣の隊員44人が､同市渝北区の遺体安置所で精神面を鍛えるための｢特殊訓練｣を行った｡真っ暗な遺体安置所に隠された54枚のﾄﾗﾝﾌﾟｶｰﾄﾞを捜すというものだ｡ｶｰﾄﾞはあらゆる場所に隠されており､中には遺体が着ている服のﾎﾟｹｯﾄの中や遺体の下に置かれていたものもあったという｡投稿は､｢他に方法があったはず｡これは立派な公序良俗違反であり､死者への冒涜だ｣と指摘した｡
｢遺体をまるで道具のように扱う重慶の特勤隊｣に対し､引き合いに出されたのは四川大地震で犠牲者へ黙とうする姿が中国全土を感動させた日本の救援隊だ｡投稿は｢死者に対する畏敬の念が感じられる｣と絶賛､当局に対し｢死者を安らかに眠らせてほしい｣と訴えた｡（翻訳･編集/NN）
日本人にとっては当たり前の死生観も、中国では当たり前ではない。中国の歴史を紐解くと、死体は物であり、敵は犬畜生以下との扱いが多い事に気付く。対照的に、死体や敵に対する日本人の温情や敬意は太古の昔から変わっていない。
中国伝統の凌遅刑(罪人を生きながら食す刑)
死者や敵への敬意は即ち和の心であるが、武士道に通じる部分も大きい。共通理念として博愛精神が挙げられるが、これは絶対王政ではなく、中央権力の弱い封建制度が生んだ精神ともいえる。更には、現世的な儒教や道教を信仰する中国と、自然と同化した八百万の神々や先祖を敬う日本との相違する宗教観も影響していると思われる。
大東亜戦争における中国・韓国・米国の歴史捏造行為は知れ渡りつつあるが、侍の時代は未だに誤解されたままだ。
侍が支配していた江戸時代までの日本は、チャンバラ映画やドラマの影響で民衆が侍に虐げられているように思われがちだが、真実は違う。
明治時代は一般庶民でも江戸時代を懐かしむ人々が多数いた。こういった思想は、明治政府を打倒する風潮にもなりかねない。故に、プロパガンダとして江戸時代を野蛮で差別的な暗黒時代にする必要があった。
江戸時代には士農工商との身分制度はあったが、想像以上に緩やかなものだった。
辻斬り、試し切り、切り捨て御免等、武士が庶民を物のように切り捨てる場面がチャンバラ劇では多いが無論、江戸時代でも犯罪だ。切り捨て御免にしても余程の理由が無ければ、武士の死罪は免れない。だから、失礼な言葉を吐いただの、服を汚されただので切り捨てる事は不可能だ。切り捨て御免制度はむしろ、現在の正当防衛に似ている。
明治政府としては、江戸時代だけ卑下していれば良かった。江戸幕府が豊臣政権を卑下したように、時の権力者は自身を正当化するために前政権を卑下してきたから、それ以上の誇張が必要なかった為だ。
関が原の合戦でも、和の精神が垣間見られる。同合戦は各国の戦史家から、戦争ではなく儀式と呼ばれる事も多い。双方とも徹底的な潰しあいをせず、関が原の一地帯で天下を決めている為だ。地元農民は高台で弁当を持って合戦見物をしたというが、日本ならではの光景だったろう。
徳川家康は、敵将である石田三成を武士道に則り、切腹させ自害させた。日本でなければ、拷問の末、打ち首獄門か磔だっただろう。
戦は戦として、敵にも情けをかけ一般庶民を巻き込まないとの思想は、支那事変で軍規を守り中国民衆を守った大日本帝国皇軍にも受け継がれた。
分け隔てなく人命救助に勤しむ日本の救助隊、彼らもまた武士道精神を受け継いでいる。武士道精神、和の心を理解しつつある中国民衆が中国共産党の歴史捏造に気付く日も近いのかもしれない。
