幻想世界の既存情報媒体


赤字なのに平均年収トップのテレビ業界 「高給のカラクリ」2009年2月8日 MONEYzine編集部

 広告収入の減少でテレビ業界が不振に陥っているが、それにもかかわらずなぜ民放キー局5社の社員は年収1000万円を悠々と突破できるのだろうか。

 景気低迷の影響でテレビCMによる収入の落ち込みが目立ち、テレビ業界が不振に陥っている。とくに化粧品・飲料・自動車などのCMの稼ぎ柱の収入が前年を下回り、民放キー局5社の08年9月中間連結決算では、ほとんどの局の純利益が大幅に減少した。日本テレビテレビ東京は何十年ぶりとなる赤字を計上する事態となり、TBSも4日に発表した08年12月中間連結決算で、純利益が前年同期比72.1%減の53億7900万円と大幅に落ち込んでしまった。
 収益が大幅に減り、危機感を増しているテレビ業界では番組制作費が軒並み削減傾向で、現場からは「予算がどんどん削られていく」と悲鳴が聞こえてくる。テレビ東京の人気番組『たけしの誰でもピカソ!』も広告収入に対しタレントのギャラが高く、収支が合わないため今年3月いっぱいで打ち切られる予定だ。

 不況の影響が深刻なテレビ業界だが、それでも国内トップクラスといわれる彼らの高給は今のところ維持されているようだ。各局の平均年収を見てみると、 TBSの社員は 1550万円とテレビ業界トップ、次点はフジテレビの1534万円、そして日本テレビの1405万円、テレビ朝日 1322万円、テレビ東京 1226万円と続く。国税庁の「民間給与実態統計調査」などの統計では2007年のサラリーマンの平均年収は440万円程度だから、大手テレビ会社の社員には一般の会社員の3倍近くの給料が支給されていることになる。それにしても赤字の会社にもかかわらずなぜテレビ会社の社員は年収1000万円を悠々と突破できるのか。

 高給の理由としてよく語られるのが放送業界が持つ利権だ。放送局を開設するには免許が必要で、大規模な地上波放送の場合、日本では総務省が電波をわりあてないと参入できない。このためテレビ業界は新規参入がすくなく、既得権益化しているのではないかとしばしば指摘されている。また問題となっているのがテレビ業界の中で生じている格差だ。民放キー局5社の正社員なら高給が約束されるが、下請け制作会社社員の給料は月給20 万円にも満たないケースも多い。また地方テレビ局との格差も顕著で秋田テレビとちぎテレビの社員の給料は、TBS社員の半分にも満たない水準だ。


既存の情報媒体であるテレビ業界も新聞業界も、視聴率や購読者数の低下で軒並み利益が著しく下がっている。景気後退の影響というよりは、インターネットという新興勢力の拡大により既存情報媒体の競争力が低下したのが原因なのは明らかだ。
2008年の9月に出された中間連結決算では殆どの局の純利益が大幅に減少したというが、リーマンブラザーズの破綻は9月15日だった。故に、9月の中間連結決算で直ぐに影響が出るのは有り得ない。
それを実証するように、日本企業の大幅な黒字拡大が続いていた2007年度でも既存情報媒体の収益減少は深刻なものだった。


ねつ造と偽装とテレビ局経営 - ビジネススタイル - 2007年12月18日 nikkei BPnet


派遣村にしても同じ事が言えるが、何でも不況の所為にしていたら解決策は見つからない。
もっとも、テレビ局が派遣切りを叫ぶのは、自体も派遣企業をグループ企業として持っているからだが、当の彼らは下請けには雀の涙ほどの金しか与えていない。視聴者はそこまで見ないとしても、いくらなんでも説教できるような立場ではない。


マスコミの人々は、現実社会から乖離した幻想世界の住人に過ぎないのではないだろうか。医者や教育者や代議士も当て嵌まるだろうが、マスコミという小さな世界でチヤホヤされ偏狭なエリート意識に凝り固まってしまい実社会が見えなくなっているのかもしれない。
そんな彼らが、ネットは危険だの信憑性がないのだのと嘯く、派遣切りは酷いと嘯く。それら主張が自らの信憑性を更に失わせている事にも気付いていない。


彼らは、幻想世界における収入格差を見て実社会も同じだと勘違いしているのだろうか。30歳前後で年収1000万円台がざらだという彼らの異常な高給、それとは対照的に月収が20万円にも満たない下請け制作会社の人々。
確かに、彼らの幻想世界内だけいえば過酷な格差社会なのは間違いない。どうりで、自信を持って報道出来るわけだ。


更には、自身が既得権益者にもかかわらず、「蟹工船」で共産党支持を煽る。彼ら自身は聖域に居るとでも思っているのだろう。もとい、幻想世界に居るのだから安全なのだろう。
幻想の中の住人、実社会を知らず。


幻想世界の住人は、一体、何処へ行くのだろうか。


当日記内:インターネットを便所の落書きと愚弄する浅はかさ


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