ドイツの将来

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世界同時不況の波はドイツにも押し寄せている。
書き入れ時のクリスマス商戦が近づいているが、ドイツ人の給料は下がるばかり。日本のボーナスにあたる年一回のWeihnachtsgeld(クリスマス給料)だけが頼りとなるが、最低でも基本給を約束されているだけ日本よりはマシなのかもしれない。
雇用庁は失業者の更なる増加を予想し、企業によっては週30時間以下の労働を強いられ、残業時間も休暇や時短に転化され、時間はあれども金が無いドイツ人が多くなった。
ドイツの労働組合は日本よりも強いが、強い労働組合がある企業は今後、淘汰されていくだろう。
嘗て、ドイツは高給と高福祉が自慢だった。しかし今では高税率でありながら、福祉は保険の適用範囲が狭まってしまった。そして今、給料も下がろうとしている。
給料が下がることは、個人にとっては災厄以外の何物でもないが、企業や国家にとっては恩恵を齎す。


日本はバブル崩壊後、失われた十年とも揶揄されたが、実際にはリセッションになった時期は一度も無く、戦後最長の景気拡大も経験した。要因として、バブル下でも物作り軽視が米英ほど蔓延らなかったとの点と、デフレが起きたとの二点が挙げられる。
デフレは悪いことばかりではない。海外に対する価格競争力を持つとの意味ではインフレよりも数倍良い。デフレにより名目成長率が下降でも、実質成長率が上昇していれば経済は健全といえる。


ドイツは今まで物価高騰、人件費高騰、それによる賃上げとの循環で成長しており、バブル期までの日本と同じといえる。
今後、ドイツが成長するにあたって必要なのはデフレではないだろうか。昨今のドイツ企業による時短や、残業時間転化はその尖兵ともいえる。
ドイツの命運は、サービス産業の価格破壊が次に来るか否かにかかっているように思える。サービス産業の中でも飲食店は最初の尖兵になるように思える。軽食屋やパン屋は別として、ドイツの飲食店は、他欧州諸国と同じく低サービスながら高価格。
ドイツが日本と同じく更なる成長を遂げるのか、米英のように落ちぶれるだけになるのか。私は今、好奇な目でドイツの飲食店を見ている。


金融だけを頼りとした米英、ブランド力だけを頼りとしたイタリアやフランス、先進国からの投資だけを頼りとした東欧の経済は失速している。しかし、ドイツは違う。
ドイツよりも早く修羅場を潜った日本に希望があるように、欧州の優等生であるドイツにも希望が満ち溢れている。


東欧諸国と同じく、海外からの投資だけを煽っている中国が生き残る術は無い。
粉飾経済で投資を煽るのは良いが、化けの皮が剥がれる日も近いように思える。
投資家には冷静な判断を期待したい(優秀な投資家は投資を煽り、逃げ時を決めているのかもしれないが・・・)。


中国統計また水増し? 地方のGDP11%膨張 配信元:産経新聞 2009/10/29


Deutschland hilft Eurozone aus der Rezession(ドイツは欧州の景気後退を助ける!) Freitag, 13. Novembe dpa