ペットとしての馬

Äffle & Pferdle - Gesammelte Werke



意外に思われるかもしれないが、ドイツ人の30パーセントは無神論者で、キリスト教徒は60パーセントと少ない。他欧米諸国よりも無神論者が多いのは理論的で科学的なドイツならではだが、それでも12月のドイツはクリスマス一色で、クリスマスマルクトはドイツ人でごった返す。トルコ系移民の多いドイツだが、この時ばかりはトルコ人も静かだ。


ドイツでは無神論者が嘲笑されることは殆どないが、キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝う無神論者の日本人を奇異に見る風潮が南ドイツや南欧には少ながらずある。
日本人は無神論者が多いと言われているが、実際には初詣に始まり大晦日まで宗教行事が一般の生活に浸透している国は多くない。身内が亡くなれば仏教で弔い仏教の墓に入り初詣に寺院へ向かう人も多いのだから、日本人の殆どは仏教徒でもある。


そもそも、12月25日はキリストの誕生日ではない。ロシアはキリスト教国だが、1月7日に祝っている。
クリスマスは、古代ミトラ教古代ローマ宗教の太陽崇拝、そして古代ゲルマン民族の精木崇拝との融合による祝日との解釈が正しい。
キリスト教徒でもない日本人がクリスマスを祝うのは変だというのであれば、古代ミトラ教徒や古代ローマ宗教信者や古代ゲルマン精霊崇拝者でもないキリスト教徒がクリスマスを祝うのは変だとの結論も出せる。
クリスマスとは、原始的な太陽崇拝(冬至の祝い)、および精霊信仰の賜物であるが、ならば古代より神道によって太陽と精霊を信仰していた日本人がクリスマスを祝う事も、違和感は無いし正統との結論も出せる。



クリスマス一色のドイツ

宗教論は置いておくとして、クリスマスといえばプレゼントだが、ドイツならではの特徴ある玩具として女の子向けの馬関連玩具が挙げられる。
男の子ではなく、女の子に馬好き多いのがドイツの特徴だが、従順で利口で大人しい性格は女の子が好みやすい動物といえる。卵が先か鶏が先かではないが、女の子向けの馬関連玩具ばかりで男の子向けの馬関連玩具が極端に少ないのも一因といえる。故に、男の子の間では馬=女の子とのイメージが一般的であり、馬関連を売る大人も「女の子の為に!女の子が好きな馬!」を謳い文句にしている。
馬関連玩具として馬のぬいぐるみ、馬の絵が入った文房具が思い浮かぶが、それだけではない。PCゲームや家庭用ゲーム機でも馬を題材にしたソフトが多い。
昨今はドイツでもNINTENDO・DSがNINTENDO・WiiソニーPS3と並んで大人気(マイクロソフトXBOXはマニアの愛好家が多い)。ドイツは日本と異なり競馬ゲームよりもNINTENDOGSのようにペットとしての馬育成(調教・乗馬)ゲームが多く、DSソフトを例に挙げても数多くある。
ハードのDSは勿論、日本のゲームメーカー・任天堂が開発したものだが、馬育成ソフトは日本では殆ど販売していないと思われる。
以下、表紙でも分かるが、女の子向けのソフトとなっている。ちなみに、競馬関連は外してある。


※競馬関連を除いた馬関連のDSソフト一覧(ドイツ企業が殆ど、一部オーストリアアメリカ企業等有り)




※ドイツに本社があるゲームメーカー・Deep SilverのDSゲームソフト“Horse Life”


ペットショップには馬コーナーもあるし、ドイツの大都会でも少し郊外に出れば牧場に多くの馬がいる。日本では競馬位しか馬を身近に感じることはないが、ドイツでは近所の牧場に馬がいるので、犬や猫と同様に身近な動物となっている。最初はポニー(日本より、かなり大きいが)ながら乗馬も5歳児から可能で、郊外で乗馬を体験させている牧場は女の子でいっぱいとなる。
馬のドラマや映画も多い。海外発の馬のドラマや映画も多く出回っているが、本国よりも根強い人気がある。


ドイツでは、日本には殆ど無い競馬以外の馬関連産業が成り立っている。日本にあってドイツに無いものは多いが、ドイツにあって日本に無いものも探せば結構ある。
軍事や似非人権や似非環境保護など、世の中には腹黒い産業に群がる人々も多いが、馬関連の産業は微笑ましい。