大衆心理



ワールドカップ真っ最中。日本は8強を逃したが、強豪パラグアイを相手に精一杯奮戦した。個人的には、明日会うドイツ人達から日本人というだけで同情されるのも想像できて気が重いが、選手たちの心情に比べればゴミみたいなストレスだ。
今大会では審判の誤審の多さが問題となっているが、ドイツは順調に勝ち進んでいるためかドイツではあまり問題視されていない。
日頃、静かなドイツ人。普段は外国人ばかりが煩いドイツだが、ワールドカップでドイツが勝利した日だけは日頃の鬱憤を晴らかのように騒ぎまくっている。町には花火が至るところで上がり、オープンカーは巨大なドイツ国旗を靡かせクラクションを引っ切り無しに鳴らしている。しかも、政治的にも宿敵であるイギリス相手に勝ったとなっては尚更なのだろう。
冬季オリンピックでも活躍するドイツだが、ドイツでサッカーほど愛されているスポーツは無いと改めて感じさせられる。


戦前から期待の高かったドイツ代表と比べ酷評が多かった日本代表だが、いったいどれだけの人々が今回の日本代表の戦いを想像したのだろう。予選最下位敗退を予想した人は多かったが、予選通過を予想した人は非常に少なかったように思える。
戦前までの岡田監督の采配や人選は確かに酷かったが、彼の苦悩をどれだけの人々が察していたのだろう。サッカーは結果が全てである。ワールドカップの結果が全てであったサッカー日本代表は、結果が出る前から岡田監督に対して批判の嵐だった。岡田監督の目指す結果がワールドカップでのベスト4とするのであれば、非難ばかりして彼の自信を喪失させるのではなく、もう少し冷静に見守るべきだった。


サッカーとは異なり結果が見えにくい政治は、結果よりも経緯が重視される。おかしなことに、政治は経緯が全てであり本来なら安定してしかるべきなのに菅内閣民主党の支持率や期待度は乱高下している。菅内閣に関しては発足当時は高い期待が集まったが、現在は急激に支持率を下げている。


新総理・菅は極左だが、鳩山以上の従米であり媚中でもある。政治に興味を持っていれば、民主党自民党以上に汚職まみれであり、媚中・従米体質であり、政治運営能力が無いのは明らかだ。
具体的にも、小沢及び鳩山の両巨頭による汚職子ども手当や高速道路無料化や米軍基地移設問題における失策。更には事業仕分けによって日本の技術力を削ぎ、人権擁護法案によって弾圧を目論み、外国人参政権によって外国人の支配圏拡大を画策し、国体を崩すことばかりに専念している。
菅内閣民主党議員がどういった思想や利権を持っているのかを全ての有権者が知っているのであれば、支持率や期待度が乱高下する事もないし、そもそも菅内閣の誕生はもとより民主党が与党になることもなかった。


国民の支持率や期待度は、既存メディアによる思想誘導(印象操作)と連動している。岡田ジャパンへの既存メディアによるバッシングは凄まじかった。対照的に、菅内閣に対して既存メディアは庶民派だの小沢色払拭だのと持ち上げていた。今になって支持率が急激に下がっているのは、既存メディアも隠しきれないほど菅内閣の醜態が露見されてきたからに過ぎない。


既存メディアによる思想誘導の影響は大きく危険だが、それでも真実は垣間見れる。全ての受け手が冷静に自己判断ができるのならば問題ない。
既存メディアだけではなく、医者であるとの肩書きだけで盲信する患者や、教授の肩書きだけで研究成果を信じてしまう人も多い。医者も人間であるから診断や治療ミスを起こすこともある。患者よりも私腹を肥やすことしか目がない医者も多い。既得権や既存の医療方法にしがみつき、治るべき患者を治せない(治さない)医者も存在する。教授は教授で、地球温暖化や日本の財政破綻民主党政権が財政難を加速させる恐れがあるが)を当然のように喧伝しているが、これら説の信ぴょう性の少なさは言うまでもない。
一方向、一つの情報だけで判断するのは危険極まりない。病気になっても後悔しないためには、最低二人以上の医者に診てもらうのが最善なように、ニュースにも様々な視点が必要だ。しかしながら、日本のニュースは既存メディアに独占されているため、他国よりも思想誘導がしやすい状況になっている(勿論、中国等の独裁国家よりはマシだが)。


米ではピュリツァー賞受賞 ネットジャーナリズムの可能性 日本では…  2010.6.29  産経新聞 


日本には公平な報道機関が少ない。産経新聞でも報じられているように日本にも既存メディアの枠を超えたネットジャーナリズムがあったが、JANJANオーマイニュース等の市民記者は左翼ばかりで、同じく左翼である既存メディアと歩調を同じにしていた。
既存メディアと同じような日本のネットジャーナリズムが、新規顧客を開拓できずに相次いで閉鎖や休止したのは当然の流れだった。


マツダ殺傷事件の犯人は秋葉原事件に影響を受けたという。こういった事件があると、安直に派遣切りをした企業が悪いだの、格差社会が悪いだのと論じる人が必ず出てくる。個人的意見ならまだしも、報道機関にも散見する。


以下の産経新聞報道からも分かるように、今回の事件は個人の素行が原因であり、格差社会や派遣切りの影響ではない。10社以上の仕事を渡り歩きながらもスポーツカーを頻繁に買い替え自己破産するような人間が同情を受けるなど、笑止千万としかいいようがない。仮に精神の病だとしても追い詰められ人を殺める前に何故、病院に行かなかったのだろうか。


マツダ殺傷 無類の車好き…自己破産「どうでもよくなった」6月28日 産経新聞

(以下抜粋)
引寺利明容疑者(42)は主に派遣社員として10社以上、自動車関連の仕事を渡り歩いていた。車好きが高じて頻繁に車を買い替えたあげく、ついには自己破産。
(中略)
車には多額のお金をつぎ込んだ。この約5年間でスポーツカーなどを4台ほど買い替えており、そのせいで2年前には多重債務を抱えて自己破産していた。


以下、安直な社説の例


マツダ工場11人死傷「自動車メーカーのコスト削減と雇用形態が影響か」−英 サーチナ 2010/06/23

(抜粋)
このニュースは英国でも報道されている。英BBCは、このような暴力的な犯罪は日本では珍しいとし、今回の事件の背景には、景気の減速が大きな格差を引き起こしていることや、派遣労働者が不利な立場になる雇用形態のあり方が問題視されていると報じている。


巷の事件だけではなく、サッカーにしても政治にしてもさも知ったように騙っている人々が多いが、一体どれだけの人が自分の考えを、自分の言葉を使っているのだろう。もしかしたら、既存メディアの拡声器に成り下がってはいないだろうか。
既存メディアの偏向報道、思想誘導よりも、自身で考える能力を失った人々が一番危険な存在に思える。既存メディアでもネットジャーナリズムでもどちらでもよいが、日本にとって公平な報道機関が必要なのは当然だが、大勢に流され自己判断能力を失った人間を一刻も早く覚醒させる事の方が重要だ。