有給休暇

SYLT(ドイツ最北端の島)



有給休暇の取得率、12カ国で日本最下位 エクスペディア・ジャパンが調査 (10/07/28)日刊トラベルニュース

世界最大のオンライン旅行会社エクスペディアの日本サイト、エクスペディア・ジャパンが、日本や欧米など12カ国の利用者を対象に先ごろ行った有給休暇取得調査で、日本人の平均取得日数は9.3日で前年より1.4日増えたものの最下位だった。アンケート調査には12カ国の1万1521人が参加した。


調査は日本、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、スウェーデン、カナダ、オーストラリア、アメリカなど12カ国を対象に実施した。


日本人の有給休暇平均付与日数は16.6日で、取得率は56%。他国がいずれも80%以上の取得率なのに対して大きく水を開けられ、こちらも最下位だった。付与日数が16.9日で日本とそれほど変わらないアメリカでも、取得日数は14.0日で取得率は80%を超えている。


有給休暇の平均付与日数と取得日数が最も多いのは、フランスでそれぞれ37.4日と34.7日。取得率にすると93%に達する。以下、スペインの31.9日と28.6日、デンマークの29.2日と26.9日の順。


ちなみに厚労省が毎年まとめている年次有給休暇に関する調査では、日本人の平均有給休暇付与日数は18.0日、取得日数は8.5日(いずれも2009年)となっている。


夏まっさかりだが7月上旬の連日35度を超える猛暑も終り、例年通りの25度〜30度の気温に戻り、過ごしやすい毎日が続いている。
夏は多くのドイツ人が休暇に入るため、仕事もスムーズに進まないことが多くなる。しかしながらそこは欧州一優秀なドイツ人。日本人の生真面目さと、ラテン系のいい加減さを足して割ったような国民性を持つドイツ人であるから、多少の問題はありながらも、上手にやりくりしている。
夏期休暇に海外へ出るドイツ人も多いが、ドイツ語が通じるホテルやドイツ人が多く訪れる休暇村がヨーロッパ各地にあり、さながらドイツ人植民地の趣となっている。旅行ツアーは日本と異なり個人ツアーが多く、行き先も名所よりはクアハウスや海のある保養地に人気が集まる。多くのドイツ人は三食付きのリゾートホテルで、一週間から一ヶ月の間ゆっくりと保養する。普段は異状なまでの倹約家が多いドイツだが、保養の為の旅行だけは義務のように欠かさない。結果として、リゾートホテル業界に関しては価格競争やサービス競争が激しく、長期滞在でも驚くほど安い。


当日記内関連記事:ドイツ人とマジョルカ島


ドイツは勤続年数によって休暇日数が違うが凡そ25〜35日で、土日や祝日を合わせると二ヶ月位は休める。カトリックである南ドイツは更に休日が多くなり、組み合わせによっては三ヶ月近く休むことも可能。私は年に二回ほど帰国してるが、日本国内で転勤している友人よりも実家に滞在している期間は長い。
日本では休日出勤が当たり前の企業も多い。更には、多くの企業は有給休暇を消化出来ない環境にある。男女雇用均等法が制定されえいるとはいえ、OLが腰掛け程度に思われているものも多く、女性の有給休暇取得率は日本でも高く、若い男性よりも若い女性の方がより多く海外旅行へ出掛けている。男性に関しては休みを取る行為が、仕事を蔑ろにする行為につながるとの考えを持っている人が多く、冠婚葬祭でしか有給休暇を消化できない男性も多い。日本人の有給休暇平均付与日数は16.6日で、取得率は56% との事だが、男女別にした場合、男性の取得率は更に低いように思える。
ドイツも含めて欧州の取得率は90%を超える。ドイツは日本と対照的に有給休暇を消化しないと計画性が無い人間、社会性の無い人間と判断されてしまう。


ニューヨークのエリートや奴隷に近い中国の工員と比べるならまだしも、日本人は他国の人々と比べると働きすぎなのは明らか。
日本でも公務員や土日祝日休みの会社は有給休暇が取れなくても、それなりに休日はある。しかしながら、土曜に休めない中小零細企業も多い。サービス産業は土日に儲けなければならないので場合によっては月に1日か2日しか休めない事もある。
ドイツは日本と違い。職種による休暇日数の差は殆ど無い。日曜は基本的に店は営業しおらず、サービス業でも、年間25〜30日の休暇が取れる。土曜に営業している店でも、従業員の週休二日は守られている。更に法律上では週40時間労働だが、実際には35時間から40時間の間がほとんどで、平均37時間前後となっている。朝の始業時間は早いが、就業時間も早く、金曜は15時過ぎから帰宅ラッシュになる。


休暇は多いが、良いこと尽くめではない。
給料面では日本の方が良い。更には、ドイツには国民年金はあっても厚生年金がなく、退職金もない。多くのドイツ人は時間はあるが金がない。
ボーナスの代わりにクリスマス手当と休暇手当が付くが、日本の平均的なボーナスよりはかなり少ない。


当日記内関連記事:ドイツの給与平均


中国は年内にも世界大二位の経済大国になると喧伝されているが、日本人の勤勉性をみるにあたり、日本を追い越すのは不可能なように思える。為替の影響もあるが、円高はより一層、日本の経済力を押し上げている。


当日記内関連記事:日本という世界最大最強の金満取立屋


無論、日本人は勤勉性だけではなく、高い技術力、高い教育水準を持っている。せめて、有給休暇位は堂々と消化できるような環境になっても良いのではないだろうか。根拠のない悲観論や日本経済崩壊論で不安を煽るだけでは就労時間も短くならないし、休暇も増えない。
今の日本経済は世界一健全であり、世界一将来性がある。政治は別として、今の日本経済に必要なのは積極的な経済戦略と楽観論、そしてより一層の内需拡大にある。その為にも、企業は休暇を従業員に与え金を使わせなければならない。