ウソつきは民主党議員の始まり




ドイツ気象庁の放射性物質拡散予想図(5月26日)


東日本大震災から二ヶ月以上経過した今でも、ドイツは日本を注目している。
他国の自然災害は一ヶ月もすれば忘れ去られることが多いが、人災ともいえる福島原発事故は例外といえる。関連報道は未だに続き、トップニュースになることも少なくない。レストランや売店で何処の国から来たかと聞かれることは多いが、日本人と言う度に悲しい顔で放射能汚染を心配される。
彼らに放射能汚染地帯は一部であり、北端から南端までの距離は日本はドイツよりも長いと言っても理解されない。かつての日本も、チェルノブイリ原発事故でヨーロッパ産の全ての食品を危険視していたのだから、文句は言えない。
今では、日本産の食品が輸入困難な状況。日本の食材は海外生産も多いが、それでも食材店へ買い物に行くと、徐々に値上がっており品数が減っていくのが分かる。
度重なる余震や、放射能の恐怖から帰国した在日ドイツ人も多い。日本人である自分ですら、一時帰国を躊躇しているのだから無理もない。


ドイツ人が日本の放射能を恐れる要因として、日本からのデータ不足が挙げられる。ドイツ人はデータを重んじる国民であり、同じ欧州人であるアングロサクソンやラテン、スラブ系とは異なる。
几帳面な日本人はドイツ人と似ているというが、データを求めない日本人はドイツ人からみると非常に情緒的な国民となる。


そのデータが一部ではあるが、やっと日本で公表された。


WSPEEDIについて │ SPEEDI │ NNET


菅首相視察前、官邸に予測図=放射性物質の流れ確認? 2011/05/19  時事通信

(抜粋)
川内氏らによると、予測図は3月12日午前1時12分、経済産業省原子力安全・保安院からファクスで送信された。第1原発1号機で格納容器の蒸気を外部に放出する「ベント」を行った場合、同3時から同6時までの間、放射性物質が全て海に向かうことを示す内容だった。
  3月12日朝に首相は第1原発を視察。SPEEDIの予測図は住民には長く公表されなかったものの、首相の視察前に放射性物質の流れを知るため利用された のではないかとの疑念の声もある。川内氏は「首相はSPEEDIを自分のために使い、住民のためには使わなかったのではないか」と話している。


SPEEDI問題「首相は万死に値する」 みんな・渡辺代表 2011.5.20 産経新聞

みんなの党渡辺喜美代表は20日午後の記者会見で、東京電力福島第1原発事故が発生した直後の3月12日未明に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシ ステム(SPEEDI)の予測図が首相官邸に送られていた問題について「菅直人首相は自分が福島に(視察に)行くときは利用しておいて、肝心要の情報を隠 匿して出さず、大被害を受けたのが住民だ。首相は万死に値する」と強く批判した。


震災直後の混乱の最中、菅は違法献金をした韓国人に対し口止め電話をし、違法献金の返済に奔走していたが、彼の罪は、やはり一つではなかった。


もし上記の報道が本当であれば、菅は自己保身の為だけに放射能影響予測図を利用し、福島原発周辺の人々を見殺しにしたと言われても仕方がない。諸外国が福島原発事故後の早い段階で予想図を公表していた中で、当事者の日本だけが公表しなかった状況は異常だった。


日本国内には不思議なことに、菅に対する評価として「頑張っている」や、「誰が総理でも同じ」との声がある。確かに彼は、自己保身のために頑張っている。
総理が菅ではなく、無能なだけなで何もしない人間、もしくは、ミミズやオケラやアメンボだったなら、今よりはマシだった。


福島原発1号機の海水注入中断における学級委員会以下のイザコザからも、菅の頑張りが垣間見れる。


福島第1原発 地震翌日1号機、「首相激怒」で海水注入中断 産経新聞 2011年5月21日

東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発1号機に関し、3月12日に東電は原子炉への海水注入を開始したにもかかわらず菅直人首相が「聞いていない」と激怒したとの情報が入り、約1時間中断したことが20日、政界関係者らの話で分かった。最近になって1号機は12日午前には全炉心溶融メルトダウン)していたとみられているが、首相の一言が被害を拡大させたとの見方が出ている。


 政府発表では3月12日午後6時、炉心冷却に向け真水に代え海水を注入するとの「首相指示」が出た。だが、政府筋によると原子力安全委員会の班目春樹委員長が首相に海水注入で再臨界が起きる可能性を指摘、いったん指示を見送った。


 ところが、東電は現場の判断で同7時4分に海水注入を始めた。これを聞いた首相が激怒したとの情報が入った。東電側は首相の意向を受けてから判断すべきだとして、同7時25分に海水注入を停止した。その後海水注入でも再臨界の問題がないことが分かった。同8時20分に再臨界を防ぐホウ酸を混ぜたうえでの注水が再開されたという。


 自民党安倍晋三元首相は20日付のメールマガジンで「『海水注入の指示』は全くのでっち上げ」と指摘。「首相は間違った判断と嘘について国民に謝罪し直ちに辞任すべき」と断じた。これに対し、枝野幸男官房長官は20日夜「安倍氏の発言が偽メール事件にならなければいいが」と牽制(けんせい)。首相周辺も「激怒はしていない。安全を確認しただけだ」と強調した。


首相の意向で海水注入中断…震災翌日に55分間 2011年5月21日  読売新聞

東京電力福島第一原子力発電所1号機で、東日本大震災直後に行われていた海水注入が、菅首相の意向により、約55分間にわたって中断されていたことが20日、分かった。


海水を注入した場合に原子炉内で再臨界が起きるのではないかと首相が心配したことが理由だと政府関係者は説明している。
(中略)
複数の政府関係者によると、東電から淡水から海水への注入に切り替える方針について事前報告を受けた菅首相は、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長に「海水を注入した場合、再臨界の危険はないか」と質問した。班目氏が「あり得る」と返答したため、首相は同12日午後6時に原子力安全委と経済産業省原子力安全・保安院に対し、海水注入による再臨界の可能性について詳しく検討するよう指示。
(以下略)


福島第1原発:海水注入問題、政府が班目氏発言を訂正 2011年5月22日 毎日新聞

(抜粋)
政府・東京電力統合対策室は22日、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長が「再臨界の危険性がある」と述べたとした21日発表の文書について、発言は「可能性はゼロではない」だったと訂正した。班目氏は22日、首相官邸福山哲郎官房副長官に発言の訂正を要請。対策室側が訂正に応じたため、矛を収めた。本人に確認せず文書を発表したため生じた混乱といえ、政府内の調整不足が露呈した形だ。


「班目発言は誤り」指摘したのに…そのまま発表 5月23日 読売新聞

(前略)
安全委によると、21日の同対策室による記者会見直前の打ち合わせで、「再臨界の危険性がある」とする班目委員長の発言を記した文書が公表されることが初めてわかり、同対策室の細野豪志首相補佐官らに、その場で誤った内容であることを伝えたという。しかし、記者会見では配布文書の修正は行われなかった。


福島第1原発:東電海水注入、枝野氏「政府は止めてない」2011年5月23日 毎日新聞

枝野幸男官房長官は22日、東京電力が3月12日夜に始めた福島第1原発1号機への海水注入が55分間中断したことについて「東電がやっていることを止めたようなことは一度も承知していない」と述べ、中断は政府の指示によるものではないとした。視察先の青森県三沢市で記者団に語った。枝野氏は「何度も何度も『なぜ早くやらないんだ』と催促したことは直接知っているが、逆方向のことは一切ない」と強調した。【笈田直樹】


首相「私は原子力の専門家ではありません」 産経新聞 2011/05/23

「私は原子力の専門家ではありませんので、すべてを知っているわけではありません」菅直人首相は23日の衆院東日本大震災復興特別委員会でこう釈明した。
 「僕はものすごく原子力に詳しいんだ」と専門家を自任していた過去の発言を自ら否定した格好だ。
(以下略)


海水注入中断によって、1号機の圧力容器損傷が悪化したといわれている。余りにも低レベル過ぎて理解するのもバカらしいが、上記流れを時系列に直すと以下となる。


1、イラ菅といわれる菅が、自身の許可無く海水注入した東電に対し激怒し、海水注入が中断したと推測される。


2、政府・東京電力統合対策室の記者会見前に首相補佐官の細野に対し、内閣府原子力安全委員会斑目委員長の発言「最臨界の危険性がある」の記述は誤りと訴えたが、細野は訂正せずに発表し、斑目発言が海水注入中断の要因と思わせ遠まわしに責任転嫁。


3、斑目委員長が政府に自身の発言の訂正を求め、政府は斑目発言が「可能性はゼロではない」だったと認める。


4、枝野が、政府が海水注入中断の指示をした事実は無いと開き直り。


5、菅は「僕はものすごく原子力に詳しい 」と言っていた過去を打ち消す為に「私は原子力の専門家ではありませんので、すべてを知っているわけではありません」と弁明し、東電に対し介入していないように印象づける。


自分の発言に責任を持てない人間は、誰からも信用されない。
最臨界の“危険性がある”と“可能性はゼロではない”では前者の方がインパクトが強い。
海水注入中断が菅の指示でないとしたら、政府にとって斑目発言はどうでも良いはずだが、間違った斑目発言を公表してまで菅をかばう行為は、ヤブヘビでしかない。菅による海水注入中断の指示があったのではないかと疑われても仕方がない。
東電を庇うつもりは更々ないが、原発災害時の原子力災害対策本部は総理官邸にある。決定権のある菅や枝野は、東電以上に重い責任を背負う。


真実云々は置いておくとしても、“責任のなすりつけ”と“ウソ”だらけの政権に国を任せるのは、危険過ぎる。
どちらも人として最低の行為だが、恥らいもなく、国民だけではなく世界にも見せつけている。


海外の人々は、3月12日に配信された映像の時から、福島原発は水素爆発かメルトダウンしているのではないかと疑っていた。政府による今さらながらのメルトダウン発表にも驚かされたが、民主党政権を支持している人が日本国内に未だに存在していることにも驚く。
世界から見ると、民主党政権の評価は限り無く低い。同政権は隠蔽体質であり、国民の命を軽視していると思われている。
これだけ酷い政権にも関わらず、政府に対する大規模なデモすら起きない日本。このままでは“冷静で秩序正しい日本国民”のイメージが、ただ単に“愚鈍で強者に逆らえないだけの国民”に変わりかねない。


日本に住んでいる日本人が、政府やマスコミに洗脳されながら飼育されているだけか、それとも、現実を直視しながらも前向きに逞しく生きているのか。
菅直人の退陣要求、民主党の下野以外に、判断する術は無いように思える。


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