中韓との反目はアメリカを利するだけとの嘘


戦前、平沼騏一郎は不可侵条約を締結した独ソを見て「欧州情勢は複雑怪奇」との言葉を残し内閣を総辞職した。アジア協調を謳った戦中の大東亜共栄圏構想からも窺い知れるが、日本人のお人好し加減は昔から変わっていない。


当日記内関連記事:大日本帝国は軍国主義国家ではなかった


当日記内関連記事:現代に蘇る大東亜共栄圏


イギリスとオーストラリアのような主従関係でもない限り、一般的な国家は真の友好国など持たない。もっとも、オーストラリアでさえ最近は移民が多いから、イギリスにとって油断できなくなっている。
台湾は今や反日支那大陸系が総統となっている。シャープのように親日国家・台湾の企業だからと諸手を挙げると、社長が支那大陸系の場合は痛い目にあう。
元総理・鳩山の友愛外交やアジア共同体構想が如何に愚かな外交だったかは、現状の日本からも分かる。にも関わらず、未だに日本は全方向土下座外交もしくは友好外交ばかり。


国家間の衝突とは、お互いが反目しあって生じるものだが、現状では周辺諸国が一方的に日本を責め立てている。
韓国に対しては、未だに実行的な制裁処置を取らず、中国に対しては、藤村修官房長官が東京都の尖閣上陸申請を許可しなかったように、日本は相変わらずの弱腰外交に徹してる。


アメリカについて


日本の外交において、アメリカは常に重要な鍵を握っている。
私自身、アメリカには愛憎入り交じる思いがある。祖父がフィリピンで若くして戦死しているとの私念を別としても、女子供をターゲットにした無差別空爆、広島長崎への人体実験目的の原爆投下は明らかに戦時国際法に違反しており、これらは捏造の南京事件以上の死者を出している。
嘗てのジャパン・バッシングだけではなく、最近では欠陥を捏造しトヨタ叩きに明け暮れ、TPPによって日本を経済植民地化しようとしている。


しかしながら、アメリカは一度奪った沖縄を日本に返還した。対共産主義の防波堤として日本の重要度が増していたとはいえ、他の国には真似できない。昨年の東日本大震災では、動きの鈍い民主党政権をよそに、トモダチ作戦で多くの被災者を救った。


だから、私は歴史や経済で見れば反米だが、軍事同盟との観点では反米ではない。国を愛する多くの方々も私と同じ感情だと思う。
無論、将来的には日本独自の防衛力を持つのが前提となるが、現状ではアメリカの核の傘在日米軍に頼ったほうが得策だ。昨今煩い日本の近隣諸国も、アメリカ相手に一戦を交わりたいとは思わない。
この点で、歴史的(戦前戦中だが)に親米で、政治や経済面で反米の反日分子や左翼とは意見が異なる。


アメリ陰謀論


「日本と中韓の衝突はアメリカを利するだけ」や「アメリカが裏で日本と中韓の対立を仕組んでいる」など、日本と中韓で軋轢が生じると、ネット上に奇妙な論調が出てくる。アメリカがユダヤや秘密結社になっていることもあるが、マスメディアの安直な「日本と中韓の衝突は日本の国益を害する」よりもインパクトはある。


もし仮にアメリカの工作とすれば、平常時でも日本で反中・反韓政策なり教育、更には報道が頻繁にあっても不思議ではないが、元首たる天皇陛下や国旗たる日の丸を侮辱され、国土を陵辱されやっと、異を唱える程度。対照的に、中韓は戦後一貫して反日教育・政策に勤しんでいる。


中国内での反日教育までもアメリカが裏で操っているとしたら、日本を操るのは容易い。
戦後のGHQによるウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム大東亜戦争において、日本が悪かったと洗脳する計画)からも窺い知れるが、 中韓よりもアメリカの影響が常に強い状況下で、日本の教育や外交にしても国民感情にしても、中韓のそれに達しないのは矛盾している。


主に左翼や陰謀論者が好む論調だが、所詮は中韓関係者による工作にすぎない。中には北方領土問題もアメリカが裏で操っているとの奇想天外な話もあるが、少なくとも、竹島問題においてアメリカが関わっていることはない。


確かに、竹島問題は戦後アメリカが日本軍を解体させたことに端を発する。もし、アメリカがドイツ軍のように日本軍を温存させたら、竹島も奪われなかった。
だがそれは、アメリカが竹島問題を日韓離反の火種として利用しているとのことではない。


日本海に海底資源が有ったとしても、アメリカにとって日韓は双方ともに同盟国だ。石油埋蔵量が世界第三位のイラクを敵国として占領したような真似はできない。戦利品が皆無な状況で、アメリカが血を流すメリットは何もない。勧善懲悪好きなアメリカの世論がアメリカ軍介入に賛同する理由もない。
かといって、アメリカ世論が賛同しないとの理由で介入を拒否した場合、極東におけるアメリカ軍の軍事的アイデンティティは崩壊する。仮に介入したとしても、同盟国同士の衝突は、アメリカの外交政策、軍事同盟が破綻したことを世界に曝け出してしまう。


これらを鑑みるにあたり、陰謀論を持ち出すのであればアメリカよりも、むしろ中国が裏で韓国を煽っていると推測したほうが合点がいく。
日本と韓国の対立はアメリカのアジアでの立場を弱くさせ、中国の立場を強くさせる。中国としては、国威発揚にも繋がり一石二鳥でもある。
だからこそ、日本と韓国を対立させたくないアメリカは、自国の影響力が強い日本国内の政治家やマスメディアを利用して、日本国内に反韓感情が高ぶらないようにしている。


欧州だけではなく、世界中の外交はお人好しな日本人にとって、今も複雑怪奇でしかない。だからといって、闇雲に陰謀論に走るのも浅はかな衝動に過ぎない。確かに、今の日本が反日在日コリアンの強い影響下にあるのも事実だし、アメリカが資本家に牛耳られているのも事実だが、だからといってその先に隠れるユダヤ人が世界を支配するだの、アメリカが中韓を操っているとの論調は安直過ぎる。仮に本当だとしたら、各国で繰り広げられているロビー活動も意味を成さなくなるはずだが、実際には政策にかなりの効果を与えている。
世界情勢はいくつかの勢力に因る妥協と反目の産物であり、一つの勢力が世界を牛耳れるほど単純ではない。


陰謀論者はまるで、車の運転免許も持っていないのに、車の性能を語っているようなもので、順序が違っている。更には、ドン・キホーテの如く風車に突進する。
そもそも、敵国の真意はおろか、どの国が敵国かも把握していない状況で、影の支配者の真意など分かるはずもない。
日本の周りには敵国が多い。世界情勢の真相を探るよりもまず日本が最初にすべきことは、どの国と友好関係を築こうかよりも、どの国家がどういった敵国かを判断することに尽きる。


◆3タイプの敵国


敵国といっても、完全に潰すべき敵国と、放置すべき敵国と、利用すべき敵国の三種類がある。
敵国をも利用するのが真の外交といえるが、利用されてばかりの日本には何の戦略もない。


完全に潰すべき敵国は韓国か。前回も述べたが韓国を生きながらえさせても、日本はメリットよりも遥かに多くのデメリットを被る。韓国は戦争でなく、日本との国交断絶で崩壊させることが可能であり、日本への被害も殆どない。
竹島が問題となるが、経済制裁となれば韓国は軍を竹島に配備しようとする。その前に治安維持の名目で準備していた自衛隊派遣部隊を竹島に上陸させれば、戦力面でも政治面でも韓国は太刀打ちできなくなる。
潰した後の事後処理は、北朝鮮に任せればいい。経済破綻すれば、ただでさえ反米・反日で、財閥に対して歪んだ感情を持っている韓国人なのだから、資本主義を捨て北朝鮮と合併したほうが良いとの感情に流れる。嘗ての、ベルリンの壁崩壊とは逆のパターンとなるが、あり得ないことではない。


放置すべき敵国は北朝鮮であり、経済破綻した韓国を平和裏に吸収させ、国際社会から隔離させる。無論、その後の統一朝鮮との国交回復や民間行流は、断固として阻止する必要がある。場合によっては、朝鮮国籍の強制送還も必要に思える。
拉致問題に関しては、あるある詐欺の如く北朝鮮の主張には一貫性がなく嘘ばかり。残念ながら、拉致問題北朝鮮が日本から援助をせしめる為のカードになってしまった。人質を殺した誘拐犯と北朝鮮は、一致する。


利用すべき敵国はロシアと中国か。これら二国は人口や資源の面で利用価値がある。
理想としては内側からの崩壊だが、中国には既に兆候が見られる。中国を崩壊させたら日本も大きな被害を被るとの戯言は、中共関係者の工作にすぎない。ペレストロイカに端を発するソ連崩壊のように、平和裏に分裂させることは可能だ。
その為にも、日本は尖閣諸島問題や南京事件問題を持ち出し、対中投資を停止し中国の景気後退を加速させ、中国内の反日暴動をより一層、煽らなければならない。反日暴動が反共産党暴動に変わるのは、火を見るより明らかだ。先程も述べたが在日米軍が日本に駐留している限り、中国は日本に軍事的に仕掛けては来ない。だからこそ中国は、沖縄の在日米軍が邪魔で仕方がない。尖閣諸島自衛隊なり在日米軍の駐屯が必要なのは、言うまでもない。
中国人は、いつの時代でも愛国心よりも自身の保身を大切にする。暴動が各地に拡大したとしても、権力者には命を危険にさらしてまでアメリカと戦おうとの気概はない。海外へ逃亡するのが関の山だ。
中国崩壊後は、分裂した国家群に対し援助の名の下、各々の国が好きなように支配すればいい。日本は歴史的に、大連や長春あたりを統治するのが良いかもしれない。


中国の製造業景況感、9カ月ぶり50割れ 予想超す悪化  8月0.9ポイント低下、輸出が大幅鈍化 2012/9/1 日経新聞


中国で月餅の生産が半減? 数字が示す経済の本格的な衰退 2012年08月24日 WEDGE Infinity(ウェッジ)


日本の周りが敵国だらけな状況でのオスプレイ配置論争は、低レベルとしか言いようがない。アメリカは国防の観点では敵国ではない。敵国を利するだけではなく、これ以上、敵国を増やしてどうするつもりなのだろうか。


狼の群れに迷い込んだ子羊は、どうなるか。狼と羊が共生できないように、話しても通じない相手、分かり合えない相手は国家でも存在する。残念ながら、世界は日本のようなお人好し国家ばかりではない。