ドイツ化粧業界で拡大する日本美

mensch2006-03-27

世界に対する日本の影響力は化粧品業界でも顕著だ。昨今はアジアンビューティーと持て囃されているが、原動力は日本に負う部分が大きい。
そう思わせる要因は数多く存在する。


ドイツでは、中堅以上の高級デパートには資生堂の専用コーナーがあり、グッチ等の世界的な高級化粧品と肩を並べ売られている。資生堂は既に高級化粧品の地位を確立しており、カネボウKENZO資生堂に続いて奮戦している。アジアで唯一、欧米企業と方を並べ人気を保っている日本の化粧品会社は日本の誇りといえる。


化粧品分野でもドイツにおける日本企業の評価は総じて高い。値段は高いが、値段以上に納得させる術を持っている。アプローチとして「日本の伝統そして最先端技術がミックスされた商品」等が挙げられるが、対する受け手も他日本製品と同様に高品質を評価している。
ただし、日本企業はそれ程、日本の伝統を表現していない。資生堂コーナーにしてもカネボウコーナーにしても日本国内のレイアウトと殆ど変わらなく、製造段階の紹介で、“日本の素晴らしい伝統と高い技術に裏づけされた商品”と表現するにとどまっている。


資生堂カネボウと対照的な戦略を行っているのが、ポーラだろうか。ポーラは東京に本社を持つ企業だが、彼らの海外戦略用ブランドがANNAYAKE(アナヤケ)だ。
研究開発は東京のポーラ研究所、製造販売はパリとなっている。販売会社の提案かもしれないが、アナヤケは前面に日本らしさを出している。
私の町でも高級ブディックが連なる通りや中堅クラスの化粧品店でアナヤケが売られているが、ディスプレイは竹や月や日の丸など、日本を強くイメージさせる作りになっている。アナヤケのマークも朱印でアナヤケとカタカナで描かれており、商品はハナミやツキミ等の美しい日本語が冠されている。更には『MIT DEM WISSEN UND DER TRADITION JAPANS』(日本の伝統と英知に裏づけられた商品)との謳い文句を大々的に打ち出している。


以上から分かるように、アナヤケの購買層は日本というイメージを買っており、日本人が舶来物を買うにあたっての構図がドイツにも存在している。化粧品という付加価値の高い商品で、自国のイメージを堂々と出せる国は、欧米以外では日本しか存在しなく、海外における日本のイメージの高さが如実に窺える。


日本を前面にアピールしている企業は日本企業だけではない。ドイツ企業も日本のイメージを出そうと努力している。
ASTOR社はマニキュアブランドMIKADOを販売しており、SUHADA(素肌?)との名称をブランド名に冠しているメーカーも現れた。更には、Schwarzkopf社が販売ている整髪用品だが、大豆と蓮のエッセンスを使った商品で日本をイメージさせている。アジアビューティーと謳っているが、そのブランドマークは『日の丸』に漢字の『美』をあしらったもの。アジアンビューティーの代表として日の丸を冠した表現は微笑ましい。


日の丸のイメージが軍国主義に繋がると盛んに喧伝している反日家は、中朝韓の人々による偽りのイメージに気をかけるのではなく、世界の人々がどの様にイメージし、如いては日本に対し如何に憧れを持っているのかを御自身の目で確かめて頂きたい。
日の丸に×を付ける中朝韓の人々と、美を冠させるドイツの人々。この思想の違いは計り知れないほど大きい。


アナヤケ


Asia Beauty