ドイツ人の給料

Planet wissen



ハンブルクの地方紙Abendblatt及び大衆紙Bildに、ドイツ人の平均給与(税込み総額)について興味深い記事が載っていた。まずはAbendlattを紹介したい。


Hamburger bekommen die höchsten Gehälter 23. Juli 2008 Abendblatt


ハンブルクの男性正社員の月収は税込みEUR3732、女性正社員は税込みEUR2898で、全国平均の税込みEUR3015よりもハンブルクはEUR468稼ぎがある。


パート社員及び研修生及びシニア労働者も含めた月収は、ハンブルクが税込みEUR2759で、隣接のシュレスヴィヒホルシュタイン州の税込みEUR2216と比べてもEUR543もの開きがある。
税金や保険を差し引いた手取り額は、高収入のハンブルクでも平均EUR1775(税込みの64.3%、約27万円、全国平均約22万円)となっている。手取りは独身者と既婚者、更には子供の数等で違うが、若い独身者の場合は更に手取りは減る。ドイツ人の税込み平均収入はEUR高も有り高いが、手取りは各種税金や保険が高い分、日本の平均よりも少ない。


総合大学卒の男性は、平均月収税込みEUR5555で、専門大学卒よりも33%、大学入学資格者よりも18%、基幹学校及び実科学校卒よりも68%高い。
また実科学校卒でも専門の職業訓練を受けてない場合は、受けた場合よりも24%、同じ仕事をする男性よりも12%少ない。
大卒女性は税込みEUR4242稼ぐが、大卒男性よりも24%、同じ仕事をしている男性よりも12%も少ない。
専門職業訓練を受けていない基幹学校及び実科学校卒の女性は、税込みEUR2274となっている。


以上が大よその内容だが、ドイツの格差社会が分かりすく紹介されている。しかし、当然だが失業者は入っていない。更には、人口の1割を占める移民の中には、これに含まれない不法就労者もいるだろう。
また、30歳過ぎまで正社員にならずバイトに明け暮れる大学生も多が、卒業しても昔と違い今は就職難で、即戦力を期待する企業には疎まれる。幸運にも倍率の高い研究機関に入ったとしても、生涯年収を考えるとそれほど裕福ではない。対照的に、大卒でなくても安定した企業に入った場合は、収入も高い。そういった企業は離職者も少ないため、大卒者や中途採用者を必要としない場合も多い。
これらには先見の明や運不運もあるが、地方格差や男女格差は別だ。男女平等社会とドイツは謳っているが、実際には日本と同様にまだまだ男女格差があり、ドイツで少子化問題が収まらないのも理解できる。更には日本以上の地域格差も見逃せない。




写真:Planet Wissen


以下、BILD紙の報道だが、同じ職業でも地域格差が凄まじい。ドイツの料理人は移民が多いが、この表でも料理人の給料の低さが分かる。もちろん、全て税込みであり、実際の手取りはこの55%から65%となっている。収入の低い料理人でも、ライブチヒとフランクフルトではEUR600以上も差がある。

EUR=約160円

Warum verdient ein Koch in Dresden 514 Euro weniger als in Frankfurt?−Bild 06.AUG


表拡大



画像:Bild


職種・ライプチヒ・フランクフルト(EUR)      

  • Altenpfleger=老人介護 1736 2468
  • Arzthelferin=医療助手 1516 2155
  • Bauingenieur=建築技師 2728 3878
  • Bauleiter=現場監督 2863 4070
  • Blianzbuchhalter=会計士 2674 3802
  • Call-Center-Agent=電話受付係 1701 2418
  • Controller=監査役 3307 4702
  • Elektriker=電気技師 1996 2838
  • Grosskunden-Betreuer=販売部長(責任者) 4207 5981
  • Kfz-Mechaniker=自動車整備士 1777 2526
  • Koch=調理師 1471 2091
  • Krankenschwester=看護士 2011 2859
  • Kundenberater/Ban=コンサルタント(銀行) 2823 4014
  • Maurer=左官 1991 2831
  • Monteur=組立工(工員) 1881 2674
  • Personalreferent=人事部長(責任者) 2988 4248
  • Projekt-Ingenieur=設計技師 3497 4972
  • Redakteur=編集部員 2872 4083
  • Reisefachangestellte=旅行業 1694 2408
  • Rezeptionist=受付係り 1379 1961
  • SachbearbeiterVersicherungen=保険業 2734 3886
  • Sekretaerin=秘書 1977 2810
  • Software-Entwickler=プログラマー 3110 4422
  • Steuerfachangestellte=税理事務員 1889 2685
  • Techn.Kundendienst=顧客技術担当 2671 3797
  • Techn.Zeichner=製図工 1914 2721
  • Vertriebsinnendienst-Mitarbeiter=店頭販売員 2639 3752
  • Vertriebsleiter=販売部長(責任者) 6257 8895
  • Verwaltungsfachangestellte=行政事務員 2123 3018
  • Zahnartzthelferin=歯科助手 1412 2008


地域格差に関しては物価の違いが第一に挙げられるが、特に東西格差は未だに解消されておらず、深刻な失業問題も要因の一つとなっている。
ドイツでは平均収入の60%以下、即ち月収EUR781(手取り、約12万円)以下が貧困になる可能性の高い層と定義されおり、実にドイツ国民の13%にも及ぶ。無論、これには貧困層は含まれない。
更にはドイツ国民の4人に1人が社会保障(年金も含む)を受けている。貧困層に属していなくても、家賃が支出に占める割合は非常に高く月給の半分前後が家賃との家庭も多い。


ドイツにおける格差社会の根は深い。ドイツと比べると日本は安心しても良いレベルだが、外交をお座なりにして国内不安だけを煽る自虐マスコミや政治家は問題か。
自虐思考の先に見えるものは、果たして何なのだろうか。


日本人であるのならば、目先のマヤカシに騙されてはならない。
誇るべき日本を貶め、他国に売りつける輩を見過ごしてはならない。


※当日記内 ドイツ国内格差貧困問題 関連日記


日本における格差社会・少子化社会・消費税・年金問題


ドイツ外食産業が示唆する格差社会


日本に必要なもの=自虐思想からの脱却、売国勢力の一掃